あんスタ短編 (ページ11)

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刺激されたのは心でした(薫) ページ11

"あなたの綺麗を支えるジャンプー"

ｰｰｰ

最近、街中で見かける広告のキャッチコピー

(売上も上場、いい感じじゃん♪)

モニターの中で綺麗な金髪をなびかせ微笑むのは、彼であり、担当するアイドルユニット"UNDEAD"の羽風薫。

申し分ない程期待通りの出来上がりで、取引先も大喜びだった。

(抜擢した私の目に狂いはなかったわね♪)

ただ…1つを除いてー

ｰｰｰ

『すまないねぇ…この娘、うちの新人なんだけど、一緒に撮影に加わってもいいかね？』

そう言われたのは撮影当日。
取引先の娘さんが薫のファンらしく、どうにかしてお近づきになりたいらしい。

「…分かりました。ただ、あまり映りこみすぎてしまうと宣伝価値が下がってしまうのでお気をつけ下さい」

ここで断るとせっかくの薫の仕事が台無しになっちゃう。

(見守るしかないか)

その後、撮影は順調に進み、大きな問題も起こることなく終了した。

そして出来上がったものは、よくある髪をサラサラ～となびかせるシーンを娘さんが薫の髪をなびかせ、冒頭のセリフだった。

そして本日ｰ

疲労とどこにいても聞こえてくる薫の声に我慢の限界が来ました。

「あー！！腹立つ！」

こうなったらとことん自由にやらせてもらおう。

A薫、本日19時帰宅厳守だから。

薫え。う、うん?

よし、とりあえず買い出しからかな

ｰｰｰ帰宅一時間前

とりあえず薫達が暮らす寮の部屋に帰ってきて、買った荷物の片付けをそこそこに夕飯の支度を始めた。

テーブルの準備とお風呂の準備を早急に進め、一息着いた所で玄関の扉がゆっくりと開いた。

『た、ただいま～』

少し怯える様な表情で扉から顔を覗かせた。

「あ、おかえりー時間ピッタリだね。さすが薫くん」

玄関まで出迎えに行くと荷物を受け取り揃って中へ入った。

『あれ？乱くんとゆうたくんは？』

「ゆうたくんは、ひなたくんの所、凪砂さんは日和くんの実家に遊びに行ってて今日は二人とも帰ってこないよ？」

(凪砂さんは元からだけど、ゆうたくんは快く協力してくれたから助かっちゃった)

『そうなんだ～…あのA？「夕飯作ったからさ、とりあえず一緒に食べよ？」…え、これ全部手作り？…はぁ…どうしよ、嬉しすぎて泣きそうなんだけど…手洗ってくるね～』

(可愛いなぁもう…さっきまでの怯えた表情どこいったのよ…笑)

『お待たせ～俺ご飯よそうね？』

ニコニコしながらテーブルに運ぶと二人で手を合わせた。