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まだ、全部を憶えていた。
強引に塞がれた唇も、ボタンを外す長い指も、肌を滑る掌の暖かさも。二人分の重さに軋んだ音を立てるソファさえも、私をそこへ沈めようとして、このままジェシーさんの熱に溺れそうになる。
「A、」
ジェシーさんの声が一段と低くなって、全部のボタンを外されたブラウスがだらしなく肌蹴た。ジェシーさんが散らした紅い痕はもう消えかけているのに、その中に一つだけ落とされたあの夜の北斗さんの名残。北斗さんが見せた堪えきれない欲望が込められたそのたった一つの微かなシルシに、ジェシーさんの唇が触れた。
「ふっ……ぁ、」
はしたない声を漏らすのと同時に、ジュッと強く吸い取られて、思わず唇を噛み締める。わざとらしく大きな音を立てて離れたジェシーさんの唇が、私の耳元へ寄せられた。
「北斗、気付くかな？」
真新しいソレを指先で優しく撫でながら、ジェシーさんは笑う。ジェシーさんの肩を懸命に押し戻しながら、
「お願いジェシー、話聞いて……！」
そう懇願したけれど、ジェシーさんは舌をペロリと出しただけで。
「大丈夫、ちゃんとカラダに聞くから」
そう言って、ジェシーさんが私の首筋に顔を埋めて、私は精一杯の力でジェシーさんに組み敷かれた身体を捩った。
「やめ……て、ジェシー……！！」
「抵抗しなきゃ、優しくするよ」
「待って、話を……」
「聞きたくねぇって」
「ジェシー！」
私の必死な声に、不意にジェシーさんの動きが止まった。その代わり、ピタリと私の耳へ唇をくっ付けたまま、
「北斗とは？……どこまで？」
と、ジェシーさんが低い声をそこへ放り込んだ。
「何も……ない、です」
「……嘘だ」
「ホントです、ちゃんとジェシーと話してから、それからちゃんと向き合うって決めてたから」
「……でも、北斗はそうはいかないじゃん」
「……待ってくれるって、北斗さんそう言って下さったから、」
私の言葉に、はぁ、と大きめな溜息をついたジェシーさんが、ゆっくりと身体を起こした。それから、
「じゃあ聞くけど……Aちゃんの話って、何？」
と、私をまだその大きな身体の下に閉じ込めたままで聞いた。やっと自分の気持ちを伝えられるとホッとした私は、
「ジェシー……私ね、やっぱり北斗さんが好き」
と、ジェシーさんを真っ直ぐに見つめて言った。
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ルンバ(プロフ) - ubisiさん» なるほど、そういったものがあるんですね。返信ありがとうございます！ (2022年7月25日 10時) (
レス) id: 28855a1c3e (このIDを非表示/違反報告)
ubisi(プロフ) - ルンバさん» コメントありがとうございます。正式名称は『privatter』です。詳細についてはここでは控えさせて頂きますね。今後とも楽しんで頂けますよう頑張りますー。 (2022年7月25日 9時) (レス) @page41 id: f047d48436 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - いつも楽しく小説読ませていただいてます！ひとつお聞きしたいのですが、ベッターとは何でしょうか？ (2022年7月25日 3時) (レス) @page48 id: 28855a1c3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ubisi
| 作者ホームページ：https://marshmallow-qa.com/ubisi_0122
作成日時：2022年6月11日 0時
