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「戻ってこい」

 北斗さんが仰ったその言葉に、たまらないくらいに胸が震えた。
 そんな風に乱暴な言い方をされる北斗さんは初めてで、それなのに、私の鼓動はうるさく暴れている。
 『戻る』という言葉の意味は、どう捉えたらいいの?メイドとして、松村の家に?それとも、ジェシーさんに傾きかけたこの心を、北斗さんに?
 北斗さんの唇が鎖骨の上に乗って、チリッと掠めるような痛みが走った。あっ、と少しはしたない声が思わず漏れると、北斗さんはゆっくりと私を離して下さった。何も言わずに優しく私を見つめて頭を撫でた北斗さんは、立ち上がるとベッドに投げ出されていたガウンを手に取って、私の肩へそれをそっと掛けて下さった。いつか、メイドルームで寝落ちしてしまった私に掛けて下さった、あのガウン。北斗さんの香りに包まれて、まだ胸がドキドキして……。

「あ、の……北斗さん、」

 北斗さんのガウンをギュッと握った瞬間、バタン!と騒々しくドアが開いて、

「ゴメン、仕事の電話だっ……た、」

と、スマホを振りながら戻っていらしたジェシーさんが、私の姿を見て一瞬言葉を失った。

「Aちゃん、」
「ジェス、大丈夫だったの?」

 私の肩に触れそうになったジェシーさんの手を遮るように北斗さんがジェシーさんに声をかけると、

「……No problem.」

と、ジェシーさんはいつもよりも低い声で仰った。それから、私の肩にジェシーさんが手を乗せると、

「Aさん、寒そうだったから。俺のでよければ」

と北斗さんは微笑んで、ジェシーさんは私の肩から手を下ろした。

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ルンバ(プロフ) - ubisiさん» なるほど、そういったものがあるんですね。返信ありがとうございます! (2022年7月25日 10時) (レス) id: 28855a1c3e (このIDを非表示/違反報告)
ubisi(プロフ) - ルンバさん» コメントありがとうございます。正式名称は『privatter』です。詳細についてはここでは控えさせて頂きますね。今後とも楽しんで頂けますよう頑張りますー。 (2022年7月25日 9時) (レス) @page41 id: f047d48436 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - いつも楽しく小説読ませていただいてます!ひとつお聞きしたいのですが、ベッターとは何でしょうか? (2022年7月25日 3時) (レス) @page48 id: 28855a1c3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ubisi | 作者ホームページ:https://marshmallow-qa.com/ubisi_0122  
作成日時:2022年6月11日 0時

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