7 ページ7
ジェシーがカレーをペロリと平らげたタイミングで、テーブルの上に置いていた赤いスマホが震えだした。着信の画面を観たジェシーが、
「AHAHA！やっば、マネージャーだ」
と呑気に笑い出した。
「ジェシーくん、電話出なくていいの？」
「出たら怒られんじゃん！」
「お仕事なんでしょ？」
「うん、抜けてきたから」
「ダメじゃん！！」
ヤバいよね！なんて言いながらいつもみたいに笑うジェシーを横目で見ていると、今度は共鳴するみたいに俺のスマホが鳴り出した。
「慎太郎のも鳴ってる」
「……樹だ」
「DAHA！マジ俺、コレやべぇやつ？」
「もしもーし？」
ジェシーにお構い無しで電話に出ると、電話の向こうの樹は何か全部悟ったみたいな声で、
『あ、慎太郎？ジェスに代わって？』
って、何の確認もしないまま言った。
「ジェシー、はい」
「ん？俺？」
「樹、代わってって」
「HEHE！ヤバそ？」
言うほどヤバそうとも思って無さそうなジェシーが俺のスマホを耳に当てると、
『お前さぁ、』
なんて樹の呆れ声が漏れ聞こえて来た。
「ゴメン、すぐ戻る」
『あたりめーだっつの、』
「Aちゃんトコでカレー食ってた」
『お前、マジいい加減にしろよ！』
言葉はキツイけど、声色で樹が笑ってるのはわかるから、ジェシーも笑いながら、
「Aちゃん、樹」
と、俺のスマホのスピーカーをオンにしてからAちゃんに差し出している。恐る恐るそれを手に取ったAちゃんが俺のスマホを受け取ると、
『A？久しぶりじゃん』
と、樹の声が聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ubisi
| 作者ホームページ：https://marshmallow-qa.com/ubisi_0122
作成日時：2023年7月27日 19時
