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「どうしてこのクラスは、人質になったのか…はい、分かる人」

先生は挙手をしながら問うた。
上がらない手。
そんな事を急に聞かれたって、先生が求める回答なんて分かるわけが無い。
誰も先生と目を合わせようとしない。

「…じゃ、宇佐美」
「はぁ?分かる訳ないし………」

先生は宇佐美を指名した。
指名された本人は、なんで自分なんだと困惑した顔をしている。
分かるはずだ、よく、考えて。言い聞かせる様に先生は言葉を紡ぐ。

「……皆がブッキーに酷く当たるから…」

先生は、なるほど。そう言いながらフッと笑い、教室内を歩き始めた。

「確かに、教師に対するリスペクトはゼロだよな。でも、そんな理由でここまでスペクタクルな仕打ちはしないよ。…ヒントは、他のクラスにはなかった、事だ」

立ち止まり、ハッキリとそう告げた。
…何となく分かってしまった。
……分かりたくなかった。
先生を見ると、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、目が合った気がした。


…じゃあ、諏訪。そう言って、また歩きながら、次に諏訪を指名した。
諏訪は迷いなく答えた。

「警察沙汰になった奴がいる」
「テメェ、喧嘩売ってんのか」

諏訪の言葉に、噛み付いた甲斐。
2人のやり取りに、先生は鼻をひとつ鳴らした。

「甲斐が起こした傷害事件か。まぁ、確かにそれも関係無くはない」

先生は、ひとつの席の横で止まった。
ポツリと空いたその席。
皆が、全てを理解した瞬間だった。


先生は机を少しだけ持ち上げ、音を立てて下ろす。
そして、その席に腰を下ろす。

「…君達も分かってる筈だ。……でも…答えたくない」























_____「んはは笑」
「え、黎君何笑ってるの?」
「いんやぁ、本当2人は仲良いなぁって思ってさ」
「だって親友だもん!ね!さくら!!」
「わ、私なんかが親友……死ねる……」
「何でよ!」
「あっはは笑」
「ねぇ!黎君もボマイェやってみてよ!」
「んふふ笑。絶対、嫌」
「何で!!?しかも何で真顔になるの?!」
「……推し2人が…神々しい………エモい……」
「……さくら…?」
「なんて?茅野?」






















思い出の1ページが、走馬灯のように駆け巡った。

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作者名:字の人 | 作成日時:2022年6月15日 0時

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