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ガラッと言う音が聞こえ、モニターを見やる。

『さぁ!そろそろ約束の時間だぞぉ!』

そう言いながら、教室に入ってきた先生。
先生は教壇に向かいながら、間髪入れずに言葉を続ける。

『どうだ、やり逃げXさん?名乗り出る気になったか?』

ん?と、先生は教室を見回しながら、やり逃げXに問う。
だが、どれだけ待っても名乗り出る者はいない。
先生は溜息をつき、言葉を紡いだ。

『しょうがないなぁ…。じゃあ、誰かに裁きを受けてもらおうか』

この言葉に、クラスがざわめく。
恐怖に怯える者、俯く者、身を寄せ合う者。
誰も声を発することが出来ない。
先生はより恐怖心を煽る為か、重低音な声を出す。

『だーれーにーしーよーう______』

刹那、携帯電話の呼出音が鳴り響いた。
俺達全員、携帯電話は没収されている。
直ぐに誰の電話が鳴っているのか、全員が理解した。

『あ、悪い、悪い。携帯の電源切るの忘れてた』

そう言いながら、ジャケットの内ポケットに入れていた携帯電話を取り出し、画面に表示されている呼び出し人の名前を確認した。
瞬間、先生の身体が強ばった様に見えた。
恐る恐る電話に出る先生。

『……もしもし』

相手の声は、勿論聞こえない。
先生は、急ぎ足で窓際に向かい、外を見やる。
焦ったような口ぶりで、電話口に言葉を放つ。

『なんで警察が…文香の携帯を。彼女と話したのか…。何を話した……。答えろ!文香に_____』

先生が声を荒らげた瞬間、背後から甲斐と里見に隙をつかれ、床に倒されてしまった。
さらに、石倉、不破、須永も加わり、先生の身動きを取れなくする。

『リモコン取れ!!』
『よし、取ったぞ』

そう言いながら、里見は先生が腕に着けていた爆弾の起爆スイッチにもなる時計を奪う。
腕時計を奪った今、男子軍には怖いものはない。

『今まで随分遊んでくれたな!』

甲斐はお返しと言わんばかりに、先生に馬乗りになり、顔面を殴る。
殴られた先生の顔には、何故か笑顔が見えた。

『何笑ってんだよ!頭おかしくなっちまった________』

ピッ。





___ドゴオオオオオン。





刹那、教室に響き渡る轟音。
唖然とするクラスメイト。

『なんだよ!今の!!』

なぜ爆発が……?
先生から腕時計を奪ったはずなのに。
狼狽えながら、甲斐は叫び里見を見る。

『俺じゃねぇよ!』

里見も動揺を隠せていない。
腕時計を見せながら、否定する。
拘束が解け自由になった先生は、馬乗りになっていた甲斐の鳩尾を殴り払い除けた。

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作者名:字の人 | 作成日時:2022年6月15日 0時

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