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「はい、終わり」
「ん、どーも」
先生の声に反応し、丁寧に巻かれた包帯を見ながらお礼を告げる。
飽きずに巻かれた包帯を眺めていると、目の前にパンの袋が差し出された。
「食えるか？」
「…ごめん、お腹空いてない」
「そうか。ここに置いておくから、空いたら食べるといい」
「…ん。ありがと」
机に置かれたパンを眺めていると、頭を撫でられる。
それを、抵抗せずに甘んじて受ける。
俺は、先生に頭を撫でられるのが、小さい頃から好きだった。
何ていうか、安心するというか、なんというか。
精神安定剤のひとつ、みたいな。
先生もそれを解っているのか否か、よく頭を撫でる。
「さて、そろそろ授業をしに行くが、お前はどうする？」
「…まだ身体痛いし、ここに居てもいい？」
「……あぁ。その代わり、大人しくしてるんだぞ」
「うん」
先生は、また俺の頭をひと撫でし、ノートパソコンを持って教室へ向かった。
俺も、何時までも床に座っている訳にはいかない。
身体を労りながら、ゆっくりとモニター前の椅子に腰かける。
モニターには、挨拶が終わったのか、クラスメイトが着席をする姿が映し出されていた。
『また、�犒併海�死んだ理由を探せ�瓩�』
『ピンポーン！けど、今日はもう一歩踏み込んだ質問をしよう。昨日、茅野が言っていたドーピング疑惑の件だ。SNS�爛泪ぅ鵐疋椒ぅ広瓩坊併海�全国大会でドーピングした、という投稿があった。そうだな？』
先生は、茅野へ問うた。
……はい。少しの間の後、茅野は肯定した。
『探してみたら見つかったよ、投稿者�爐笋蠧┐�X�瓠�
先生は教壇から複数の紙を取り出し、黒板へ貼り付けながらまた、次の言葉を続けた。
『このやり逃げXは、景山への執着が凄くてねぇ。探してみると、色々エグい投稿が沢山あったよ。まぁ、皆は知ってると思うけど。で、問題の投稿がこれだ』
黒板を軽く二度叩き、先生はその投稿文に注目させた。
そして、ノートパソコンの画面を生徒側に向け、何かを見せている。
幾ら教室に取り付けてあるカメラが高性能とはいえ、カメラから紙に書かれた投稿文までは離れている。
残念なことに、このモニターではハッキリとは投稿内容を確認することが出来ない。
さらに、ノートパソコンの画面もそこまで大きくはない為、モニターからは見せている何かを確認することが出来ない。
……後で見せてもらお。
ノートパソコンを生徒達に見せながら、先生はまた言葉を紡ぐ。
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作者名：字の人 | 作成日時：2022年6月15日 0時
