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一瞬にして、教室は恐怖に支配される。

「待てよ、マジで殺す気?」

先生の言葉に逸早く反応した諏訪。
そんな諏訪の問いに対し、先生は間髪入れずに肯定した。

「当たり前だろ、言ったはずだ。不正解だったら、この中の誰かを殺すって…。だーれーにーしーよーおーかーな」
「冗談じゃねぇ……。なんでお前に殺されなきゃなんねぇんだよ!」
「何だどうした、この期に及んで命乞いか?」

抵抗の意を示した甲斐へ向けて、この場にそぐわないテンションで先生は言い返す。
教室中に、先生への懇願の声が多数、響き渡る。
その声を聞きながら先生は、ニヤニヤと笑っている。
まるで狂人だ……。


鳴り止むことのない声が未だに響く。
そんな中、痺れを切らした不破航大が先生の胸ぐらを掴む。
今すぐここから出せ!!と、声を張り上げ抗議する。
そんな不破を、先生は軽々と投げ飛ばす。
笑い声をあげる先生。

「活気があっていいねぇ!こんな必死になって授業に取り組んだことはなかったんじゃないか?ほら、もっとこい!ほらぁ!!」

手を叩きながら、挑発する先生。
煽ってんじゃねぇよ!!と、石倉が先生に向かっていくが、蹴り飛ばされてしまう。
先生は楽しそうに、また煽る。
それを見た兵頭が、机の上に立ち声を上げた。

「こうなったら総力戦だ!」

それを合図に、兵頭、瀬尾、真壁翔が動き出した。
先生は兵頭の攻撃を簡単に避け、次に向かってきた瀬尾に蹴りを入れた。
しかし、先程避けたお陰で先生の背後に居た兵頭に後ろから抑えこまれた。
身動きが取りにくくなった所に、次は正面から真壁に抑えられる。

「1人ずつ来いよ!」
「俺達も行くぞ!」

里見の声に、須永も動く。
兵頭、真壁を振りほどき、先生は向かって来る男子生徒に攻撃を繰り出す。
その背後を里見に取られ、床に倒れた。
それを抑え込むように、近くに居た男子生徒数人が先生に乗っかかる。

「あー!痛たたたっ!痛い、いたいー!!」

瞬間、俺の席の真上にある天井が爆発した。
すぐ近くに居た俺は、火花やら破片やらを被ったが、幸いにも爆発に巻き込まれることは無かった。
爆発の衝撃で、反射的に諏訪が居る方へ倒れ込んだ。

「………ってぇ…」
「黎!大丈夫?!」
「…なん…とか?」

大きな怪我は無く、破片等を被った際に頬を軽く擦りむいた位で済んだ。
…あいつめ。季節的に長袖でよかった、半袖ならもっと怪我をしていただろう。危ねぇ…。


本当、危機感のない思考回路だ。

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作者名:字の人 | 作成日時:2022年6月15日 0時

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