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「ねぇ、先生。計画って何？」
先程、先生が強制的に終わらせた武智との通話で言っていた言葉。
気にならない訳がない。
教えて貰えるとは思っていない。
聞くだけ無料精神で、一応聞いてみた。
「……教えて貰えると思う？」
「…ですよねぇ」
「分かってんなら聞くな」
そう言いながら、先生は何処かに電話を掛け始めた。
「あ、もしもし。警察ですか？」
……は？…え？何で警察に掛けてんの？何がしたいの？困惑しかない俺。
いつの間にか電話を終えていた先生が、此方を見ながらニヤニヤしていた。
「…悪趣味。何がしたいの？」
「はは笑。本当酷いなぁ。仮にも
先生は、ニヤニヤと楽しそうにまた、モニターを眺め始めた。
ため息を付きながら、俺もモニターに目をやる。
そこに映っていたのは、小走りで男子トイレに入っていく西崎、兵頭新、立野寛人の3人。
ただ、用を足すだけでは無いのは明白。
先生もそれを直ぐに察したのだろう。
スピーカーのつまみを回し、声が聞こえるように音量を上げた。
『それ、どうした！？』
『昨日買ってもらったんだ！だから先生も知らないはず』
『でかした！！これで助けを呼べる！』
きっと携帯電話の話だろう。
先生の方にチラッと視線を向けると、それはもう楽しそうな表情をしていた。
そんな表情のまま、マイクに向けて話しかける。
「残念！聞こえちゃったぁ！惜しかったねぇ、これから回収に向かいまーす」
『ここにも何か仕掛けてたのかよ！おい！回収される前に誰かに連絡しろ！！』
3人とも、慌てふためいている。
…回収してくる。そう言って、先生は男子トイレへ向かった。
俺は、モニター越しに3人のやり取りを見つめる。
救急車の単語が出た時は、流石に笑いを我慢できなかった。
『はい、没収！…はい、罰ゲーム』
先生は、個室トイレのドアの上から顔を出し、携帯電話を回収した。
…ちょっと待ってろ。そう言って男子トイレを出る先生。
美術準備室に戻り、鉄板と工具箱を持ち、また男子トイレへと向かった。
モニターからは、洗面所以外見ることが出来ない。
だが、電動ドリルの音で鉄板を固定していることが想像出来た。
何故か途中、リズミカルに電動ドリルを動かす音が聞こえてきた。
取り付けが終わったのか、洗面所の所に先生が現れた。
『お前たち、今を生きているか。……ゾクゾクさせてやるよ』
そんな言葉が聞こえてきた。
不覚にも、ニヤついてしまった。
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作者名：字の人 | 作成日時：2022年6月15日 0時
