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学校に着き、靴を履き替える。
その時、ドサドサっと何かが落ちる音が聞こえた。
音のする方へ視線をやる。
その先には、倒れた大量のダンボールを片付ける担任の柊一颯と、ダンボールを倒したであろう、クラスメイトの宇佐美香帆と魚住華がいた。
「ホームルーム遅刻すんなよ！」
そう言って笑いながら去っていく宇佐美と魚住。
(何やってんだ…)
ハァ…。とため息をひとつ付き、片付けを手伝うため急いでロッカーに靴を入れる。
その時聞こえた「大丈夫ですか」という声。
見ると、クラスメイトで学級委員長の茅野さくらが立っていた。
「いいから、チャイム鳴るよ」
柊先生の言葉に、戸惑いながらも「じゃあ……」とその場を去って行く茅野。
そんな光景を見ながら、俺も声を掛けた。
「おはよ、先生。手伝おっか？」
「ああ、おはよう。いいから、お前もホームルーム遅刻するぞ」
「先生がここにいる時点で、遅刻もなんもないでしょ。それに2人の方が早く片付くし」
そう言いながら1つ、ダンボールを拾った。
思いのほか重いダンボールに、驚きつつも落とさないようしっかりと抱える。
「ねぇ…何入ってんのこれ。重すぎでしょ」
「……………内緒」
……………なんだよ。まぁ、いいけどさ。
授業で使う画材かなんかかな、なんて呑気なことを考えながら荷台に積んでいく。
「ん、これで最後」
最後のダンボールを荷台に積み上げる。
2人で片付けたからか、やはり時間はそうかからなかった。
「助かったよ、ありがとう」
「んーん、どういたしまして」
「じゃあ俺はこれを置きに美術室に行くから、お前も早く教室に行きなさい」
「はーい」
そんな会話をして、俺は教室に向かった。
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作者名：字の人 | 作成日時：2022年6月15日 0時
