【d!】さようならアメジスト【男主】 (ページ7)

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その日を境に

ショッピという謎の少年との交流が始まった。

俺は退院後、
しばらく自宅で休みをとっていた。

ショッピくんは学校帰りにいつも家に来て俺が忘れてしまった様々なことを包み隠さず教えてくれた。

学校で起こった出来事やら、俺の交流関係。

何故彼がそこまで知っているのかも不思議でしょうがなかった。

彼の話によれば、俺は高校二年生でショッピくんは高校一年生。

委員会が同じだったらしい。

『じゃあ、俺とショッピくんは知り合いだったのか…』

「知り合いっていうかまぁ、そうですね」

『俺とショッピくんは仲が良かった？』

「…さぁ」

彼はわざとらしく目線を逸らした。

俺はたまに彼に不信感を抱く。

仲が良かったのならまだしも
ただ委員会が同じなだけで全く赤の他人なはずなのに、どうしてここまで良くしてくれるのだろう。

ましてや、彼の態度。

あの冷たい態度で仲が良かったと言われても首を傾げてしまう。

(本当に何者なんだか…)

彼と俺は一体
どういう関係だったのだろう。

彼自身のことを一向に教えてくれないのは何か意味があるのだろうか。

気がつくと

ショッピくんの瞳は、遠くずっと先を見つめている。

どうして、こっちを見てくれないんだろう。

その瞳の先に何があるのか

＿＿無性に、知りたくなった。

.

『俺、ショッピくんのことが知りたい』

「え、」

『教えてくれよ、君のこと』

『知りたいんだ』

気がついたら彼の手を握って、身を乗り出していた。

彼は瞳からは分かりやすいほど困惑の色が見える。

それでも俺は続けた。

『俺、思うんだよ。ショッピくん絶対何か隠してるって』

「な、何言って、」

『じゃあ俺たちはただの先輩と後輩なの？全く赤の他人なのか？

本当は違うんだろ？』

『なぁ、教えてくれよ』

『君は俺の何なんだ』

そこまで言って、ハッとする。

俺の手に雫が落ちている。

.

「ッ……」

握った拳にポタポタと雫が零れ落ちていた。

その雫は紛れもなく、彼の瞳から滴っている。

『ショッピ…くん？』

「…先輩」

.

ショッピくんが涙を流していた。