* 合理的恋愛 *【緑】 (ページ6)

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◎ ページ6

　俺が彼女を初めて見たのは3年前

　俺は大学院1年のときだった

　勉強するために図書館に通っていて

　一般のテーブルスペースには人が多いし、煩い

　1人で集中したい俺は、奥の入り組んだ所にある

　まさに秘密のスペースで勉強していた

　‥本当は画集などの大きめな本を読むための場所なのだけど、
人がいないのでお構いなしだ

　そんな俺だけの場所を確保していた

　しかし秋頃、秘密のスペースに俺以外の人がいた

　それが彼女だった

　

　
　
　幼く何とも可愛らしい可憐な容姿とは裏腹な大人びた表情

　
　今と変わらぬ清楚な服装に、高めのヒール

　そして今より短めの黒髪を耳に掛けながら、勉強していた

　その綺麗な姿に、

彼女が俺だけの場所いた驚きは一瞬でかき消されて

　気がついたら俺は、彼女を目で追うようになった

　所謂、一目惚れだろう

　それからというもの図書館に通うたびに彼女を探しながら、

今日こそは話しかけよう！、と意気込んで

　話しかけられずに落ち込む日々

　気がつけば3年も経っていて

　俺は大学院を卒業していた

　

　俺はこのまま、何もできないのかな。