４８.大切なもの ページ47
洗濯を終えたAは前川邸にいる山南の元へ向かっていた
先程、土方から屯所の場所を西本願寺にすると聞いたからだ。
あそこは今の場所より大きく広い、監視がいきとどかないぶん敵は侵入しやすいだろう
羅刹になった山南さんはAを狙う奴に操られてしまうかもしれないと感じたのだった。
奥の部屋に入ると、文机に向かって座っている山南さんが目に映った
「山南さん」
声をかけると山南さんはゆっくり振り返り、顔にいつも通りの微笑を浮かべた
顔色こそ良くないが、羅刹化したことに変わりはないらしく怪我をした左腕が治っていた
山「おや....珍しいですね。君が来るのは」
「話があってきたんだ」
遠慮なく上がり込み山南さんの正面に腰をかける
山「それで、お話とは？」
「あァ......山南さん、アンタ羅刹になったんだよな...」
一応確認事項な為聞いておく
山「そうですね、左腕も幾分動くようになりましたし成功と言っていいと思います......ただ、やはり昼間は少々動きづらくなってしまいますがね」
俯いて自虐的に笑う山南に遠慮もなくズカズカとその心の内に入っていく
「アンタは今、理性があるよな？してはいけないことはしないっつー判断は自分でできるよな？」
山「......えぇ」
「それは血を見てもそう言えるのか？」
山「......」
先ほどまで笑顔だった山南の顔から笑みが消えた
山「羅刹は血を求め狂うもの。もしかしたら私も...言いようのない感情が浮かんだ時、耐えられずに狂ってしまうかもしれないですね」
「そんな......」
山「貴方が心配しているのは、貴方を狙っている何者かが私を操るのではないか.....ということですね」
「ッ.....」
自らの言いたかったことを言い当てた山南に驚くA
山「人の言葉を話すあの羅刹達は......きっと違う薬を投与されています」
「違う.....その変若水じゃないってことか？」
山南の手元に置いてある変若水を指差す
山「えぇ、あくまで私の考えですが可能性は大きいですよ」
にこりと優しく微笑む山南にAは肩の力を抜いた
「そっか....よかった」
山「心配してくれたんですか？私の」
意地悪そうに笑う山南に背を向け立ち上がりそのまま歩き出す
「当たり前だろ、アンタも......俺の大切なもんだ」
吐き捨てるように言い、俺は部屋を後にした
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おぼろどうふ(プロフ) - ご指摘ありがとうございますm(__)m (2019年1月24日 19時) (
レス) id: d582d9217b (このIDを非表示/違反報告)
2代目カニ(プロフ) - これはBL...なのですかね？もしそうするならフラグを建てないとルール違反となりますよ。 (2019年1月24日 16時) (レス) id: c492dc8f7d (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - コメントありがとうございます！これからも楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2018年12月8日 13時) (レス) id: d582d9217b (このIDを非表示/違反報告)
自称イケメン(プロフ) - 狐くんがかわいすぎますね…、、、沖田くんがキスした時いいぞ、もっとやれと思ってしまいましたｗこれからも頑張ってください！応援してます！ (2018年11月21日 22時) (レス) id: c32d508c2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真紅 | 作成日時：2018年8月11日 8時
