街中歩いてたら逮捕されたんですが。【松田陣平】

逮捕１３ ページ13

松田さんのことでモヤモヤしながら次の日を迎えた。


こういう時はお酒飲んで忘れよう。うん。会社もちょうど休みだしね。

真昼間からお酒とか女子力なさすぎてうける。


「あ、あのっ！」

『うおっ！？』


死んだ目で歩いていると、後ろから腕を引っ張られた。
今の声も女子としてどうなんだろう。


自分にツッコみながら振り返ると、気の弱そうな男性がハンカチを握っていた。


「あの、これって貴方のですよね？」

『え？･･･あ、そうです！いつの間に落としてたんだろ･･･ありがとうございます』

「いえ、たまたま拾っただけなので･･･。････そのー、この腕はどういうことですかね･･･？」

『知らない人にこういうことを言うのもアレですが･･･一緒に飲んでくれませんか』

「え？」


飲むって？と困惑している男性を近くの居酒屋に連れ込む。

この後用事はあるかと行くと首を横に振られたのでまぁ構わないだろう。


とにかく、今私は誰でもいいから一緒に飲みたい気分なの！


『お礼ってことで奢ります。この後仕事とかないんですよね？なら少し付き合ってほしいというか･･･ダメですか･･･？』

「いっ、いえ！僕は全然構いません！ただ、お礼だからってあまり軽々しく誘わないほうがいいですよ･･･」

『はい、気を付けます･･･あっ、何にします？』

「じゃあ･･･ビールで」

『焼酎とビール･･･あと、枝豆と焼き鳥で』

「あいよっ」


パパッと注文してから男性に向き直る。


確かに、人は見た目で判断しちゃいけないとはよく言うけど･･･。

この人は本当に大丈夫でしょ、っていう謎の安心感があるんだよね〜。
オーラっていうの？そんな感じ。


「失礼ですが、お名前は？」

『高野Aです』

「･･･高野？」


聞いたことあるような、と考え込む男性。

よくある名前だからじゃないかな？


『貴方は？』

「あっ、僕は高木渉といいます」

『高木さんですか。なんのお仕事されてるんですか？』

「あ、実は刑事をやっていまして･･･」

『ぶっ！？』


高木さんの言葉につい噴いてしまった。

うそやん？え、つまり警察？？？


あの、と恐る恐る口を開く。


『松田陣平さん、とか萩原研二さんとか知りませんか･･･？』

「ああ、知ってますよ！機動隊の爆発物処理班に所属しているお二人ですよね？」



やっぱりか！


やだ･･･私の知り合い警察多すぎ･･･？

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