街中歩いてたら逮捕されたんですが。【松田陣平】

逮捕２ ページ2

『逮捕、たいっ、え、待って！なに！？どういうことですか！？』

「言っただろうが。公務執行妨害の罪で逮捕だ」

『えっと、その、じゃあ貴方は･･･』

「正真正銘、警察だが？」


黒い手帳を見せられ、嘘でしょ、とつい言葉を漏らす。


何で私は警察に捕まえられた？

え？？もしかして歩きスマホ超邪魔だった！？


「あんだけのことしたんだ、まさかただで済むと思ってねぇよなぁ？」

『マジで私なにしたんですか！？』

「だから公務執行妨害、」

『そうじゃなくて！！！』


突然のことにビックリしてあたふたしていると、イケメンさんの後ろから誰かが駆け寄って来た。


こ、これまたイケメンじゃないっすか！！


「急に走り出して置いていくとかひどくない！？」

「うっせ。俺はこの女に用があったんだよ」

「？･･･ああ！昨日の！！」

『へ？』


どうやら私とこのイケメン達は昨日会ったらしい。

全く覚えてないんですけど。


え？こんな顔の良い人と会って忘れる不届き者がどこにいる？？


それとも私が呑んで酔っ払った後に？


『(あ、有り得る････！！)』


酔っ払ってたんなら何か無礼なことしてても不思議じゃない･･･！！！

ってか私そのせいで友達に「酔ったら置いて帰る」って言われるもん！！


絶対そうだああああ！！くっそ･･･私の馬鹿･･･！！


「大丈夫？昨日だいぶ辛そうだったけど」

『い、いえっ！それより私は貴方達にどんな無礼を！？』

「あ、ああ。それは別に気にしなくても＿＿＿＿＿＿＿＿」


ふー、っとタバコの煙を吐いて、グラサンの方が眉をひそめた。


「まず俺にぶつかった」

『ま、まず？』

「その後注意したら「うるせぇグラサン野郎、天パのくせに」って言いやがったな？」

『え゛』

「しかもその後俺の服に吐いた」

『う、嘘･･･』


いや私やりすぎでしょ！なにやってんのホント！！！

酔っ払いすぎ･･･酔っ払死すぎだよ･･･。


「え、それ言うの？」

「はぁ？何の為にこいつ逮捕したと思ってんだよ」

「えー･･･」

「つーわけだ」


イケメンさんは私に顔をズイッと近づけ、ニヤリと笑った。


い、嫌な予感･･･！署まで来いってやつ！？








「俺と萩原に飯奢れ」

『「･･･え？」』

『あ、あの、署には･･･？』

「あ？行きてぇのか？」

『い、いえっ！滅相もございません！！』

「ならさっさとうまい店に連れていけよ」

「じ、陣平ちゃん？」



この人なに考えてんの･･･！？

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