街中歩いてたら逮捕されたんですが。【松田陣平】

逮捕１ ページ1

『あ”〜･･･頭いっったい･･･飲みすぎちゃったかなぁ････』


ベッドから体を起こし、時計を確認する。

朝の11時･･･今日は会社が休みで良かったと安堵の息を吐いた。


昨日は合コンで、「Aも出会い探しなよ！」というお節介な友達に無理矢理連れられた。

もちろん私は男より酒にいってた。
だってあのお店お酒美味しいんだもの･･･。


昨日のことを思い出して幸せに浸っていると、お腹が激しく鳴った。


「何か食べたい･･･でも作るのめんどくさい･･･。･･･じゃあ食べに行くか！」


まだズキズキと痛む頭を押さえながら着替え、軽く化粧をして玄関に向かう。


しっかり閉まったドアを背に、私は街中へと飛び出した。


どこ行こうかな？この前友達に教えてもらった飲み屋？

･･･朝から飲み屋はないない。女としてどうなんだそれは･･･。


『はぁ〜･･･今日はなに食べよっかなー』


鼻歌交じりにスマホをいじっていると、後ろから声が聞こえた。


「おい、そこの」


え、声イケメンじゃね？？

いいなぁ、あの声に呼ばれる人。


でも呼び方雑だよね、「そこの」って。


「おい、聞いてんのか？おい」


早く返事してあげなよ、誰かさん･･･。

イケメンを無視するなんて罪な人！！！！


「チッ････お前だお前！！」


あ、舌打ちされてやんの。

へっへっへ！イケメンに声をかけられた罰だ！！


『･･････え？』


知らない女の人に悪態をついていると、気付けばイケメンが目の前にいた。


いや、正確に言うと向かされた。

このイケメン(グラサン)に。


････誰！？え、まさか私！？！？じゃあ自分で自分にザマァって言ってたの！？
恥ずかしっ！！消えたい！！！


「やっと気付いたかよ」

『す、すみません･･･。あの、私に何か･･･？一応急いでるんですけど･･･』

「ああ、すぐに済む」


イケメンさんは私の手を取って･･････え？手？取る？？


『あっ、ああああああの！？「カチャリ」･･･え？カチャリ？』


嫌な音が聞こえて手元を見ると、刑事ドラマとかでよくみる、あの手錠がつけられていた。


当のイケメンさんはケロッとしている。


「公務執行妨害の罪で逮捕な」

『･････は？』




はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？！？！？！？

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