街中歩いてたら逮捕されたんですが。【松田陣平】

逮捕２３〜松田side〜 ページ23

「好きなの！付き合って！」

「････悪い」


好きな奴がいるから、と言ったらその女は泣きながら走り去って行った。


クラスメイトは「両想いだったじゃん！何で振ったの！！」なんて騒いだ。

俺は何も答えなかった。答えれなかった。


好きな女の本性知ったから、とかどう言えってんだ。


「クラスでも、二人が付き合うのは時間の問題だろうって。なぁ、何で？」

「余計な世話だっつの。････高校生の恋愛なんてそんなもんだろ」











「松田くんって恋愛に興味なさそうな顔してるけど絶対彼女にデレデレするタイプでしょ〜」

「んなわけねぇだろ。本当に興味ねぇっての」

「そうなの？じゃあどうして私に優しいの？」

「･･･言わなきゃ分かんねぇか？」



好きだった。



「松田くんチョロいわ。もう少しで付き合えそう♪えー？イケメンだし暇だったからちょうどいいかなって！」




淡い初恋はそこで散った。




ああ、女ってそんな感じなのか。


今まで告白してきた女子ってそんなこと思ってんのか。顔しか見てないのか。

････そういやそうか。話したこともない奴ばっかだったもんな。


そう失望した。


それからは女子の告白を全部断って来たし、誰も好きにならなかった。



高校の、苦い思い出。


.



















.



「悪ぃ、怪我はねぇか？」

『はっ、はい！ごめんなさい！』


お兄さんにも怪我がなくて良かった。


そうふわりと笑った女。


それは、萩原が彼女に会いたいからと中学校の文化祭に行った時のことだった。(今はとっくに別れたみたいだけどな)


ぶつかった女の隣にいた女が萩原の彼女だったのだが、俺はそんなことどうでもよかった。

ただ、無邪気に笑って楽しんでる女に視線が釘付けで････。


『え、松田さんって彼女いないんですか！？かっこいいし優しいのに････』

「････優しいなんて言われたことねぇし、別に俺は優しくなんか･･･」

『女の子達が松田さんの中身を知ろうとしてないだけです！さっきから私の回りたい所に付き合ってくれますし！松田さんは優しい人です！！』



高校の、甘い思い出。



.



















.



「こ〜んなアホ面に惚れたんだよな････」


目の前でぐーすか寝ている高野の頬を引っ張る。

酒弱いのか強いのか。萩原と同じタイミングで寝やがった。


･･･男として意識されてないのか？

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←逮捕２２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す