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JS「また切るの?」


 「切るよ。踊るときも普通に生活してても邪魔だから」


JS「そっか」



 「切らない方がいい?」


JS「短いのも好きだよ。ふわふわさせてたAも好きだったけど」


 「あははそうだったんだ」


JS「知らなかった?」


 「知らなかったなあ」








伸びてきた髪を鬱陶しそうにするAを呼び止めて、自分の方へ招き寄せる。結んで上げるからと言えば、大人しく足の間に収まった。

Aの周りをゆっくりと回る空気が鼻を掠める。ふわっと漂ったのはAのシャンプーの匂いだろうか。Aはあまり香水を付けないし。




Aが髪を切ったのは、グループが始まる少し前のことだったと思う。

肩につくかつかないか。それでも歩けばふわふわと揺れていた髪の毛がある日突然、結べないぐらいまで短く切り揃えられていた。後ろから見たら普通の男の子。元々中性的な顔立ちだったから前から見てもそんな感じ。


言葉では上手く表現できないけれど、あの時からAは2人になった。そう思っている。









JS「A」


 「うん?」



JS「…後悔してない?」








この“後悔”をどう捉えたかはAしか分からない。

聞いたはずの自分でさえどこを見た言葉だったのか曖昧だった。髪を切ったことか、将又、自分たちとこの先の道を一緒に歩むことを選んだことか、なんて。


けど、そこに続く答えを自分は知っていた。もしAがこの“後悔”を後者に捉えたとしたら、その答えを自分はすでに聞いてしまっている。










 「してるよ、ずっと。

しなかったことなんてないよ」








“ああ、そんなことか”とでも言うようにただただ真っ直ぐ下を向いた視線がAの指先に注がれた。

自分たちとお揃いのあの指輪がはめられた指先に。






・→←茜さす.



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(プロフ) - ぴょんさん» コメントありがとうございます。自分の文章にそう言ってもらえてすごく嬉しいです!こちらこそこれからもよろしくお願いします☺︎ (2022年9月26日 9時) (レス) id: 1c5041063e (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - すごく深みのある文章で、読み応えがあります。とても面白い小説を生み出して下さりありがとうございます。これからも更新楽しみにしております(><)♡ (2022年9月26日 0時) (レス) id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年9月23日 17時

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