図星 ページ7
柊｢野球部...??｣
那｢なんで俺たちのいるサッカー部じゃなくて､
野球部なんだよー??｣
未｢凪咲､野球すきだったっけ...??｣
みんな...そんな矢継ぎ早に...
那｢なに､うちの野球部に好きなやつでもいんの??｣
｢え...､｣
あれ､顔が熱い。
待って...これはなに...っ?!
そして､私の苦手な那っちゃんの
『何でも見透かします顔 』！
まずい､透けてる！
私今透けてる...！
｢ち､違うから！ありえないから！｣
言うと同時に走り出す。
とりあえず､逃げなきゃ。
未｢えーっと...図星だったみたい､ですね。｣
那｢でも､なんでうちの生徒知ってんだー??｣
柊｢地区予選...??｣
2人｢あぁ！｣
柊｢...まじかよ。｣
那｢.....｣
未｢柊平さん､
凪咲みたいなタイプには､回りくどい言い方しても伝わりにくいと思いますよ??｣
そう言うと未織は､ふわりと笑う。
柊｢え！
未織ちゃん､知って.....?!｣
未｢はい。多分､気づいてないの凪咲だけですよ。｣
那｢ははっ！｣
未｢それでは､お二人とも遅刻しないようにしてくださいね。｣
そう言い残すと未織は､年齢に似つかわしくない笑顔を残し凪咲を追って行った。
那｢だいじょぶだって！｣
柊｢...おぅ。｣
...........―――
さいっあくだ。
未織のこと置いてきちゃうし...。
未｢凪咲ー！もぅ､足速すぎだよ。｣
｢み､おりぃぃぃい...！｣
未｢よしよし､話聞くよ。｣
また急に抱きつく私を未織は優しく受け止めてくれた。
未織はいつもそうだ。
あぁ...どうしよう。
会ったこともない。
自分の気持ちでさえ､
人に言われてやっと気づくような､子どもだ。
でも...これからこの気持ちは膨らんでいく。
それだけは分かる。
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作者名：美波 | 作成日時：2020年5月4日 14時
