モテる ページ37
「こんにちはー...」
まだ誰も来てない...よね。
マネージャー用の更衣室で着替えを済ませると､
部室にドリンクボトルを取りにいく。
先輩たちは､脱ぎっぷりが良すぎる。
そのため､部室の扉を開けるという何でもないことでさえ､私にとってはドキドキだ。
空気の入れ換えしとこ！
最近は､初夏の陽気で暑い。
一つだけある部室の窓を開けることで､ほんの少し入ってくる風が､部室のほこりっぽさを和らげる。
「ちょっと...部室汚すぎると思うんだよね､」
キャプテンに相談して､近いうちに大掃除させてもらおう。
どのくらいマネージャーいなかったんだろう...。
「とりあえず､準備しよ！」
ドリンクボトルが入った籠を手に､水道に向かう。
未「凪咲！」
水道では､未織が準備をしていた。
ジャージでもかわいいって得だなぁ。
side智樹
真「あ､水道んとこにいるの花下と姫野ちゃんじゃない？」
将｢まじだ。もう準備始めてくれてんのか。早いな。｣
真護と将とは同じクラスだから､毎日一緒にグラウンドまで行く。
二人の会話を聞き､視線を水道の方に向ける。
てか､姫野ちゃんって誰だよ。
真「あの二人ってバランスいいよな！」
バランス？
とても体幹が強いようには見えない...。
将｢あ､分かるわ。
かわいい系と美人系な！｣
真「そうそう！犬と猫って感じ！」
将｢それは分からん。｣
あぁ､そっちのバランスか。
真「えー､なんでだよ。
智樹は分かるだろ？」
「は？分かんねーよ。」
将｢智樹は何でモテるのに､女の子に興味ないの？」
｢いや､モテててないから。｣
なんなら､真護や将の方がモテてると思う。
真「あららー...自覚なし！」
将｢こういう所がモテる所以なんだろうなぁ...｣
「いやいや、何の話だよ。」
将｢智樹は､そのままでいてな。｣
「バカにしてんだろ。」
ニヤニヤしながら､俺の肩に手を置く将には､
確実に悪意がある。
将｢さぁ､今日も練習頑張りますか！｣
...腹立つ。
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作者名：美波 | 作成日時：2020年5月4日 14時
