夏恋-ナツコイ- (ページ4)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:3,993 hit

決めたページ4

『決勝前のインタビューでは､信じて託してくれたマウンドを守りたい､このチームで次に進みたいんです､そう答えました。その肩にチームの勝利も期待も背負ってきた地区大会だったでしょう。まだ､1年生です。あー...目に光るものが見えますね。』

あれ...
なんだろう､この感じ。

堂々としたピッチング､飄々とした中に自信が見え隠れする。

目が､耳が...この人意外のことを受け付けない。

母｢すごいね､この子。鈴華っていったら野球の名門中の名門だよ。｣

｢.....！え､何か言った...??｣

母｢は??聞いてなかったの??...どうした??｣

本気でお母さんの声が聞こえてなかった。

ほんとにどうしたんだろう...私。

｢お母さん...｣

母｢んー??｣

でも､きっと今感じてる気持ちは気のせいじゃない。

決めた。

見つけた､今一番やりたいこと。

｢決めたよ､私。｣

母｢...なにを。｣

｢私､鈴華に行く！｣

ー花下凪咲､14歳。

ー15歳の誕生日2日前。

ーまだ､本人も気づいていない初めての恋。