近くで ページ26
遠いな...。
テレビで見た時より､
オープンキャンパスの時よりも、
遠くに感じる。
マネージャーなんてやめといたら？
そう言って､部室に入っていく背中を見ながら思った｡
｢.....｣
？｢え､っと...なんかごめんね。
せっかく来てくれたけど...｣
気の毒そうに私を気遣ってくれる､優しい先輩。
きっと､
私が泣くんじゃないかと心配してくれている。
泣きべそかいて
マネージャーになるの諦めます。って
言うために『ここ』に来たんじゃない。
あの夏の日に､思っちゃったんです。
その瞳を､
その背中を､
その心を､一番近くで応援したいって。
まずは､その背中を追いかけるところからだ。
遠ければ､遠いほど
追いつきがいがある。
？｢多分､他の部活はマネージャー募集してると思うから...｣
「辞めません！」
智「！」
？｢...！｣
来た時とは､違う緊張が襲ってくる。
でも､『なんとなく』じゃ伝わらない。
｢絶対に､途中で投げ出したりしません！
確かに､きっかけはテレビで観た試合でした。
頑張ってる先輩達が､
もっと頑張れるように､
もっと強くなれるように､
近くで手助けがしたいんです！
お願いします！マネージャーやらせて下さい！｣
三人は黙って私の話を聞いてくれた。
？｢俺､二年の二神 将(フタガミ ショウ)。よろしく。｣
...！
最初に話しかけてくれた先輩だ。
？｢俺も二年の藤川 真護(ふじかわ しんご)！
えーっと､名前は？｣
｢は、花下 凪咲...です。｣
どういうこと...？
マネージャーやってもいいの？
真｢智樹､花下はきっと俺たちを強くしてくれるよ。｣
私の肩に温かい手が乗る。
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作者名：美波 | 作成日時：2020年5月4日 14時
