春 ページ20
私の家の斜め前にある那っちゃん家には
昔から桜の木がある。
今年も変わらず綺麗に咲いている。
春だなぁ...。
母｢凪咲ー！
未織ちゃん来てるよ！｣
｢はーい！｣
未｢おはよう､凪咲。｣
｢おはよ､未織！｣
まだ着慣れないブレザーも､
上手く結べないネクタイも､
不自然なくらいピカピカのローファーも､
ぜんぶが嬉しくてたまらない。
今日は､
鈴華高校の入学式だ。
｢よかったー！未織と同じクラスとか奇跡！｣
未｢私も嬉しい！
高校でもよろしくね！｣
校門をくぐり､掲示板でクラスを確認する。
？｢凪咲ちゃん､未織ちゃん！｣
...！
未｢紫さん！｣
そこに立っていたのは､
オープンキャンパスの時のようなジャージではなく､
制服に身を包んだ紫さんだった。
相変わらず美しい...。
紫｢入学おめでとう。
これから､1年間だけどよろしくね。
じゃあ、私受け付け係だから､またあとでね！｣
手を振りながら体育館の方に紫さんは走って行った。
｢先輩に知ってる人がいると､心強いね！｣
未｢うん！柊平さんや那智さんもいるしね！
今日は二人は来てないのかな？」
｢どうかな〜...
休みの日に自分から係の仕事買ってでるタイプじゃないからなぁ...｣
未｢ふふっ
そんな感じだね。｣
高校生になっても､未織のかわいさは健在だ。
それからは､
各クラスでHR､担任の先生やクラスメイトとの自己紹介が行われた。
担任は20代後半の男の先生で､
少しだけ､気だるそうな印象だったけど
なんとなく楽しいクラスになりそうな予感がする
雰囲気だった。
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作者名：美波 | 作成日時：2020年5月4日 14時
