そばに ページ11
母｢柊平､いらっしゃい！
すぐ食べる??｣
柊｢あ､美乃さん！お世話になります！
食べる！｣
母｢全然だよ。
おっけ､凪咲ご飯よそって。｣
｢はーい！｣
あ､美乃さんはお母さんのこと。
柊ちゃんも那っちゃんも､もちろん私も
それぞれお互いの家族のことは名前で呼んでる。
｢召し上がれ〜♪｣
柊｢美味そ！いただきます。｣
母｢凪咲､あんた先にお風呂入って来たら??
後で観たいテレビあんでしょ??｣
｢そうだった！
柊ちゃん､まだいるよね?!｣
柊｢今来て､食い始めたばっかだろ。｣
｢じゃ､入ってくる！｣
柊ちゃんともう少し話したいし､
勉強で分かんないとこも見て欲しいなぁ。
side柊平
前は､凪咲のことかわいいって思ってたけど
最近は綺麗になった気がする...。
｢...ごちそうさまでした。
美乃さん､これスポンジどっちですか??｣
美｢いいよ､水つけといてくれたら。｣
｢え､でも...｣
もう他の片付け終わってるっぽいし申し訳ないな。
美｢いいって。
あ､ならコーヒー入れてよ。
あんたの分。｣
そう言って笑う美乃さんと凪咲は似てる。
｢了解です｣
美｢ん､ありがと。｣
｢凪咲､勉強頑張ってるみたいですね。｣
美｢んー､まぁね。
絶対鈴華に行くんだって､努力はしてるよ。｣
応援...したいんだけどな。
頑張れって､お前なら絶対大丈夫だって
言ってやりたい。
凪咲が鈴華に来て､
好きなやつと仲良くなっていくのを
俺は...そばで見守ってやれるのか､
分からなくなってきた。
美｢.....柊平､思ってること顔に出てるよ。｣
柊｢え...！｣
美｢なんで､凪咲には伝わらないんだろうね...。
まぁ､あの子が鈍感だからってのもあるけど。｣
まさか､
美乃さんにもバレてるなんて...
実は顔に出やすいのか...?!
美｢ふっ
あんたには､
酷なこと言うようだけど､
あの子には､柊平や那智が必要だから。
これからもそばにいてやって。｣
本当にこの人の前で嘘や誤魔化しは通用しない。
でも...不思議と救われた気持ちになれる。
｢もちろんです。｣
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作者名：美波 | 作成日時：2020年5月4日 14時
