妖80 ページ44
赤羽side
「……」
『……』
「……」
『……』
トコトコトコトコ、静かな空間に一定のリズム
少しスピードを速めると同様に速くなって、俺が止まるとそのリズムも消える
後ろを向けば不安げに眉根を下げている可愛い想い人がいて、ギュゥッと心臓が締まった
でも、そんなの格好悪いから
彼女の頭を撫でて余裕のフリ
「……」
『…、赤羽様…?』
「……。いや、何でもない」
薄桃に頬を染めて小首を傾げる彼女に短く返し諸々の準備を再開
仲直りしてからと言うもの、ずっとちょこちょこ着いて来て細やかな所を多分、俺に気付かれない様にコッソリと手伝ってくれる彼女を、あぁ、好きだなぁ、何て再認識
「……」
『……』
「…………Aちゃん」
『っっ?!は、はいっ!?』
いきなり話し掛けたからか何なのか、彼女が獣耳と尻尾を震わせて観葉植物の裏に隠れる
耳と尻尾がはみ出ていて、隠れきってないその事実に愛しさを覚え、すぐそこのドアを指差す
「俺、今から風呂入るつもりだったけど……風呂場迄着いて来る気?」
「それとも一緒に入りたいの?」何て意地の悪い質問
彼女の顔が瞬時に朱く染まる
『っ……ふぇぁっ……そのっ……』
「ははっ、じょーだん。風呂入ってくるね」
朱い顔の儘慌てる彼女をいつ迄も見てるのは流石に性格が悪い為、踵を返し脱衣所へ
……赴こうとして、つんっと、服を引っ張られる
尻目で後ろを向けば未だ顔を朱くして俯いてるAがいて、どうしたの?と声掛ける
彼女はきゅっと上目遣いで、一言
『ちゃ、ちゃんと帰って来て下さいね…?』
あぁ全く…どれだけ可愛ければ気が済むの…
*
コンコン、と軽いノック音が室内に響く
その数秒後にダボダボのスウェットに身を包んだ可愛い彼女が控えめに入って来て
自身の膝を叩いて、おいで、って合図
それを見た彼女は、湯上りで火照った頬を更に染め上げ視線を彷徨わせて迷うもので、その細い手首を引っ張って強制的に膝の上へ
捕獲
その際靡いた蒼銀の髪からA用に買った女物のシャンプーの香りが鼻腔を擽って思わず彼女を抱き締める腕に力が入った
『っぁ……赤羽……様…、お顔が………、近い、です…』
「ん…。Aめっちゃ髪サラサラだね、可愛い」
『話聞いてます…?』
少しムッとした可愛い表情
綺麗な前髪を掻き分けて額にキス
すると彼女はムッとした
あぁもう…、ホント可愛い
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サヤ - リトルメンさん» マジですかありがとう御座います!維波ちゃんの方は私も力を入れて考えて更新してるのでそう言って頂けて嬉しい限りです(*^^*)ありがとう御座います! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - リトルメンさん» おおっ!ド直球な告白!!これは照れるしかねぇなっ!!スッゲェ嬉しいわアザっすっ!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
リトルメン - これすっごく好きです!!! (2020年3月13日 11時) (レス) id: f24aeb68b1 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 鶴さん» 一回一回ご報告下さる良心だけでも充分有難いですし、許す許さない何てありませんよ 笑 (2019年7月16日 22時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あ、よかったです!昔めっちゃ怒られたことあったので、許して頂いてありがとうございます。 (2019年7月16日 18時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤ&アヤ x他1人 | 作成日時:2018年3月6日 20時