妖79 ページ43
赤羽side
『……』
「……」
会話1つもなくして着く帰途
こんなに目も合わせず口も利かない何て事は初めてで
……まぁ、大凡は俺が悪いんだけど
フと彼女が隣にいない事に気付き前を見れば、止まる気配のない車が目端に写って
「A、止まって」
恐らく車に気付いてない彼女の肩を引き……“触れたい”って欲が溢れ出る
その儘引き寄せ、腕の中へ
『なん……で、すか』何て彼女の震え声に
「車、来てたから」何て言い訳
『ぇ……ぁ…………お手間を取らせて終い申し訳ありません』
パッと放れて一礼する彼女は、何処か余所余所しくて
それが気に喰わなく素っ気ない返しをする俺はガキだ
再度沈黙が訪れる
今度こそ車を確認して横断歩道を渡る彼女の隣を歩く
その際 ちょこんと触れた指先
俺に電流が走るのとは真逆の反応
Aがバッと手を引っ込める
手を引っ込めた彼女の表情は曇っていて
「……家に着いたら少し話しをしよっか」
*
「ん」
『ぁ…ありがとう御座います…』
グラスに注いだいちご煮オレを端にいる彼女に手渡す
Aが一番端にいると言う事は“今は近付きたくない”と言う気持ちの現れだろう
音を立てて、ソファに腰を下ろす
明らかに逢った時より物理的に距離があるのは、それ程迄に彼女が今、俺に近付きたくないと言う事
静かに、彼女の名を呼んだ
それでも此方を見ない彼女に、胸が少し痛む
「…、ごめんね、って…言いたいけど……まずはAの話聞かせて?何が嫌だった?」
出来るだけ静かに、優しく
何が嫌だったか、そんなの判ってるけれど
『っ…』
何かを言い出そうとしては口を噤む彼女は、きっと、“私が口を挟む何て烏滸がましい”とか思ってるんだろう
今一度彼女の名を呼んで、催促
すると彼女は、意を決した様に顔を上げ、視線を絡め紅の瞳を揺らす
『……あ、赤羽様がっ!他の女性と、く……ちづけを交わそうとするの……や、です』
「…うん」
『むね、が…、ギュッて苦しくなり……ます…』
そう、胸辺りの服を握る彼女は、本当に痛いのだろう
そして、その感情を彼女はきっと───
『……お願い、良いですか…?』
彼女が俺の手を掴み、口元迄持って行く
それから震えてる口を動かしたら
『っ……これから先っ、私意外と為さらないで……、為さろうとしないで下さい。口付けも……その先もっ…………私だけにして下さい…っ』
───ねぇ、Aちゃん
それはヤキモチですか___……?
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サヤ - リトルメンさん» マジですかありがとう御座います!維波ちゃんの方は私も力を入れて考えて更新してるのでそう言って頂けて嬉しい限りです(*^^*)ありがとう御座います! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - リトルメンさん» おおっ!ド直球な告白!!これは照れるしかねぇなっ!!スッゲェ嬉しいわアザっすっ!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
リトルメン - これすっごく好きです!!! (2020年3月13日 11時) (レス) id: f24aeb68b1 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 鶴さん» 一回一回ご報告下さる良心だけでも充分有難いですし、許す許さない何てありませんよ 笑 (2019年7月16日 22時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あ、よかったです!昔めっちゃ怒られたことあったので、許して頂いてありがとうございます。 (2019年7月16日 18時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤ&アヤ x他1人 | 作成日時:2018年3月6日 20時