妖72 ページ35
赤羽side
“暗殺”
俺達にとって聞き慣れた単語
彼女が『あんさつ…』と繰り返す
「あぁ、暗殺だ。君にはこの緑のゴムナイフと対先生BB弾で、あの蛸型超生物を暗殺してもらう」
「───それが、君を此処に招いた条件だ」
いつもと変わらない様子で淡々と言葉を紡ぐ烏間先生に、彼女がキョトンと首を傾げる
それから数秒思考し、『あ、』と手を打った
『ひみつを知って終った“代償”と言うものですね』
「…………あぁ。大まかに言うとそうなるな」
『秘密は大切なものですし……』
Aが烏間先生の手元に視線を向け、ゆっくりナイフと瓶に詰められたBB弾を受け取る
それ等を両手に抱えたら、ふんわりと微笑を浮かべ
『その依頼、承ります』
「……あぁ、助かる」
ふわふわとした和やかな空気が漂う中
それを終わらせる様に烏間先生が「それと、」と声を発した
「維波さんの事は防衛省でも話題に挙がっている。“蒼銀赤目の少女が発した事は、何でも叶う”と」
『っ……そんな…こと…!!』
間髪入れずの彼女の否定
それに烏間先生は1回顎を引き、「あぁ、有ってはならない。有る筈がないんだ」と
「他にも、その噂で君が日々命を狙われ、それを1人の少年が匿い共に生活をしていると言う情報も入っているが……、それは業君。君で間違いないな?」
「そーですけど」
烏間先生の唐突な問い掛け
それを徐に肯定すれば烏間先生が何か考えてる様子を見せてから、口開いた
「───防衛省で良ければ、維波さんを匿う事が可能だ。少なくとも君への奇襲は少なくなるだろう」
「……あんた達に渡せと?」
「そうは言っていない。……が、上からはそう来るだろうな」
口惜しそうに眉間に皺を作る烏間先生に、少なからず眉根が寄るのが判る
勿論、烏間先生の責任じゃない事位重々承知だ
けど、だからと言って“はいそうですか”と納得出来る訳もなく
彼女と繋いでる手に力が入る
「……」
「……何れにしろ、決定権は維波さん 君にある。急で申し訳ないが…今日中に決断してもらいたい」
そう、淡々と告げる烏間先生に、彼女は俺を一瞥してから『今で充分ですよ』と微笑
それから俺の手から自身の手を引き、恭しく一礼
『───私は、所謂赤羽様の所有物です。故に、離れてはいけませんし、離れたくもありません』
『っぁ……かばね様が…望むのなら別ですが……』
自分で言って、段々と恥ずかしくなり顔が赤くなる彼女は
……可愛いにも程があると思う
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サヤ - リトルメンさん» マジですかありがとう御座います!維波ちゃんの方は私も力を入れて考えて更新してるのでそう言って頂けて嬉しい限りです(*^^*)ありがとう御座います! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - リトルメンさん» おおっ!ド直球な告白!!これは照れるしかねぇなっ!!スッゲェ嬉しいわアザっすっ!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
リトルメン - これすっごく好きです!!! (2020年3月13日 11時) (レス) id: f24aeb68b1 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 鶴さん» 一回一回ご報告下さる良心だけでも充分有難いですし、許す許さない何てありませんよ 笑 (2019年7月16日 22時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あ、よかったです!昔めっちゃ怒られたことあったので、許して頂いてありがとうございます。 (2019年7月16日 18時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤ&アヤ x他1人 | 作成日時:2018年3月6日 20時