妖71 ページ34
赤羽side
「…………ごめん。忘れて」
紅い瞳を揺らがせる彼女を見て
ザーッと後悔の波が押し寄せて来た
幾ら気になったからと言って
そんな理由で訊ねて良い事じゃない
それに、知った所でお互い嫌な気持ちになるだけだし……
数分の沈黙に不安を抱えたのか
彼女が『あ、えっ………と……』と声を零す
『……初めて…、です、よ…?』
『…………“そういったコト”は……何度か……ですが……』
眉尻を下げ、辛そうな、苦しそうな
それでいて悔しそうな表情に
心臓に爪を立てられる感覚が襲う
『それでも!』と弾かれた声
彼女が下げていた顔を上げる
『でもあの、ほんとに接吻は初めて…ですよ…?……今迄、それだけは何をしても拒絶してたので…』
“抵抗” じゃなく “拒絶”
嫌な事続きで、苦しい事続きだった彼女が言う“拒絶”は、一体どれ程のものか計り知れなくて
“それ以上のコト”よりも“キス”を“拒絶”した
その事実に疑問を覚えるが、軽んじて訊いて良い事じゃない
上手く気にしてない振りをした筈だった
それでも敏い彼女は察した様で、『教え何です』と微笑を浮かべる
『“接吻、は、本当に大切な方としかしてはいけない”。“それが男性であっても、女性であっても、心から大切だと思える方としか”。って教えられたので……』
『ですから、あの……』とAが俺の腕に掴まりフラフラ立ち───……ピッタリと抱き着く
ビシッと固まる身体に気付かず、彼女はふわりと笑って
『何処の何方かも判らない気持ちの悪い方に敵わずされるより前に、赤羽様にしてもらえて良かったです』
『“初めて”、が、赤羽様で、とても幸せですよ?』
「っ…」
真っ赤な顔の儘
上目遣いの儘
恥ずかしくなったのか
俺の胸板に小さな頭を擦り付ける彼女
ドクンと心臓が跳ね上がり
彼女に触れる事が儘ならなくて
細い腰に手を回すので精一杯で
暫くはこの儘だった
〜〜*
間に合う様に出たのに2時間遅刻
それでもその儘教室に行く事はなく、音を立てて教員室のドアを開く
Aがキョロキョロ辺りを見渡し、それからペコッと可愛らしく頭を下げた
『ぁ、の!遅れて申し訳ありません…!!』
「……問題ない。2人共無事で何よりだ」
``それでは、早速本題に移ろう´´
そう言って烏間先生が1本のゴムナイフとプラスチック瓶に詰められたBB弾を取り出す
それ等をしかとAの目に留まらせたら、口を動かして
「君にあの蛸を、暗殺してもらう」
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サヤ - リトルメンさん» マジですかありがとう御座います!維波ちゃんの方は私も力を入れて考えて更新してるのでそう言って頂けて嬉しい限りです(*^^*)ありがとう御座います! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - リトルメンさん» おおっ!ド直球な告白!!これは照れるしかねぇなっ!!スッゲェ嬉しいわアザっすっ!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
リトルメン - これすっごく好きです!!! (2020年3月13日 11時) (レス) id: f24aeb68b1 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 鶴さん» 一回一回ご報告下さる良心だけでも充分有難いですし、許す許さない何てありませんよ 笑 (2019年7月16日 22時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あ、よかったです!昔めっちゃ怒られたことあったので、許して頂いてありがとうございます。 (2019年7月16日 18時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤ&アヤ x他1人 | 作成日時:2018年3月6日 20時