妖70 ページ33
赤羽side
甘く貪る様なキス
長い様な短い様なキス
時折聞こえる彼女の可愛い声に
胸の内から何かが出て来て
気が付いた時にはもう止まれなく
彼女の頬に添えていた手は後頭部に移動してた
角度を変えて幾度となく交わる諄い程甘いキス
Aがカクンッと地べたに腰を下ろす
その震動で崩れてた理性が
かろうじて形を保ち直し
軽く吸ってからそっと口を離した
『──』
「……」
真っ赤になって俯いてる彼女
試しに手を取ればAが肩を上下に揺らし真っ赤な儘俺を見た
「……行こっか」と声掛ける
Aは数回首肯し、ゆっくりと俺の手から自身の手を抜き取り地面に当てるもんで、その様子を大丈夫かと見守る
『ぁっ…』
一瞬腰を浮上させたかと思えば直ぐ地面に落とした為、ん?と首を傾げる
カァァッと顔を赤く染めた彼女と目が合った
「……もしかして、さ、」
『っ……はい』
「Aちゃん…さっきので腰抜かしちゃった…?」
『さっ……!!』
“さっきの”、とは言わずもがなキスの事で、それを汲み取った彼女が赤かった顔をより一層朱く染める
それから朱くなった顔をふいッと逸し『く…、ち……だった…ので……』と
「えっ…と……無理矢理ではない…よね…?」
念の為確認
彼女がそっぽ向いた儘コクッと頷いたのを見て安心すると共に、Aの言ってる事が分からなくなる
それを察したのだろう
Aが『だ、だって…』と言葉を紡ぐ
『口とは……言ってませんでしたので……てっきり…、ほっぺや額等だと……』
『そ、それに、……………初めて、でした…し……』
これでもか、そう言いたくなる程に朱に染め上げ顔を手で覆う彼女
段々と声量が小さくなり、途切れ途切れになった最後
小さくなった最後の発言を見事耳が捉え、脳へ伝わり、そして「……え…」って声と共に吐き出される
初めて、って…
勝手な思い込みだけど、何となく彼女は“キス以上のコト”も経験済みかと思ってた
過去の話を聞いた時もそうだし、それに何より、こんだけ可愛くて時折艶やかな仕草をするんだ
男が襲わない訳ない
未だ座り込んでる彼女を一瞥
当の彼女と言えば、未だ座り込んだ儘小首を傾げ不思議そうに此方を見上げてて
『ぁ…の…?』
「……Aは、さ……“キス以上のコト”、とか…された事、あるの…?」
訊かずにいられなかった
不躾な質問
彼女が『…ぇ…』と
声を零した
“失敗した”
───彼女のカオを見て、そう、思った
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サヤ - リトルメンさん» マジですかありがとう御座います!維波ちゃんの方は私も力を入れて考えて更新してるのでそう言って頂けて嬉しい限りです(*^^*)ありがとう御座います! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - リトルメンさん» おおっ!ド直球な告白!!これは照れるしかねぇなっ!!スッゲェ嬉しいわアザっすっ!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
リトルメン - これすっごく好きです!!! (2020年3月13日 11時) (レス) id: f24aeb68b1 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 鶴さん» 一回一回ご報告下さる良心だけでも充分有難いですし、許す許さない何てありませんよ 笑 (2019年7月16日 22時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あ、よかったです!昔めっちゃ怒られたことあったので、許して頂いてありがとうございます。 (2019年7月16日 18時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤ&アヤ x他1人 | 作成日時:2018年3月6日 20時