妖69 ページ32
赤羽side
「Aー?」
『……』
「Aー?」
『……』
「Aちゃーん?」
『……』
大人しくなった彼女
名前を呼んでも返って来る気配は一向になく、思案顔だし無視してるって訳でもなさそうだから多分聞こえてないだけ
試しにAの顔を覗いてみる
と、彼女は驚いた様に瞳孔を開き、次に軽く俺の肩を叩いた
『あの……、一旦下ろして頂けませんか…?』
「無理」
『一旦、で、良いので…』
「片時も放れたくない」
『………………だめ、ですか……?』
「っ〜〜〜!!」
あぁ全く、狡いにも程がある
そんな可愛い声で、ねだる様な目で
それらを向けられて、俺が“駄目だ” と言えるとでも思ってるのか
否 無理に決まってる
出来る訳がない
絶対これ判ってやってるでしょ
天然?それとも計算?
……どっちにしろ可愛んだけど
深々と息を吐いて彼女をそっと下ろす
少し覚束ない足元に不安を覚えてたら、……不意に彼女が俺の腕を掴んで
「───?」
『…………これなら、ちゃんと歩けますよ?』
ふふん、と少し自慢げな彼女
ちらりと上目遣いで勝ち誇った様に見られて、落ち着いた筈の鼓動が再度暴れ出す
堪えられず彼女のほっそい身体を独占し様と、腰に腕を回し掛けた───ズルりとAが崩れ落ち足元に屈み込む
『すみ…ません…。無理、でした…』
さっきの自慢げな
そんな可愛い表情に俺の拙い理性へと繋がる糸が再度切れ始め、理性が揺らぐ
彼女と同等の目線になる様屈み、グッと顎を持ち上げた
「……キスしたい」
『ぇ…えっ?!』
「キス、したい」
『ぁ……の……』
「…………ダメ?」
敢えて彼女が断わり難い問い方
“ズルい” “老獪” “女々しい”
そんなのは知らない振りに
彼女の額とコツン、と合わせ
先程Aがやった強請る様な目を向けて
掠れた声で「ね、ダメ?」何て囁いて
額から彼女のネツが感じる
彼女と視線が絡み合う
Aが小さく、『だめ……、……じゃない、です……』と呟いた
『けど……っ…!』
喰らい付いた
───この時の俺は、どうかしてたんだろう
嘘みたいに甘く柔らかい唇
ぷっくりとしたソレから伝わる溶けそうな程の熱
確かめ合う様に口付けて互いの唇が何方のか判らなくなった頃にそっと離れた
俺を見詰める瞳が何だかとても色っぽくて
───気が付いたら俺は、もう一度彼女とキスを交わしていた
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サヤ - リトルメンさん» マジですかありがとう御座います!維波ちゃんの方は私も力を入れて考えて更新してるのでそう言って頂けて嬉しい限りです(*^^*)ありがとう御座います! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - リトルメンさん» おおっ!ド直球な告白!!これは照れるしかねぇなっ!!スッゲェ嬉しいわアザっすっ!! (2020年3月13日 12時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
リトルメン - これすっごく好きです!!! (2020年3月13日 11時) (レス) id: f24aeb68b1 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 鶴さん» 一回一回ご報告下さる良心だけでも充分有難いですし、許す許さない何てありませんよ 笑 (2019年7月16日 22時) (レス) id: fb5777db69 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - あ、よかったです!昔めっちゃ怒られたことあったので、許して頂いてありがとうございます。 (2019年7月16日 18時) (レス) id: 0753bc1767 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヤ&アヤ x他1人 | 作成日時:2018年3月6日 20時