【赤羽業】私は……妖狐 II

妖63 ページ26

赤羽side

真っ赤な彼女を下に組み敷いて
はぷっと耳を咥える



Aの肩が揺れたら
次は細い首に舌を這わせて


『ッぁ……や、あ……』


Aが身体を捻った
張ってた涙が静かに頬を伝う



ソレを指で掬い取って舐めてみせれば
瞬時に薄暗くても判る程顔を赤らめる

あぁ…全く…


「…反則」

『んぅぅ…、はん、そく……?』


紅い目に涙を浮かべた儘
キョトンとした顔で言葉を繰り返す彼女

そういうのが反則だって言ってんのに

グラグラグラグラ
理性が揺らぐ



今にも喰べて終いたいのを堪えれる程
俺は我慢強くない



グラグラグラグラ
止まらない


先程迄舌を滑らせてた白く細い首筋

それに噛み付いて、グチャグチャにAを泣かせたくなる

今よりももっと、もっと

俺が乱したい


ドクドク鼓動が暴れ出す中
何処かで雷が鳴った



Aがボロッと涙を零す



“……怖い?”って聞くと
彼女は小さく頷いて


「……俺になら何されても良い、は、こういう事されるって覚えといた方が良いよ」

『──?………へ、あ、あっ!!違っ、くて……、赤羽様ではなく……て…』


困った様に視線を彷徨わせる彼女の
顎を掴み無理矢理目を合わせ

「じゃあ、何?」と問うも
Aは答えたくないのか

『ぉ、お気になさらないで下さい』
って、ほっそい腕で胸板を押して来る

そのよっわい力で抵抗してるつもりなのかな

何て、そんな事を考えてれば窓越しに外が光って

───あぁ、大分近いとこに雷落ちたな

何て、頭の片隅で思う

それも束の間



Aが勢い良く背に腕を回し
抱き着いて来た



その為、体勢が崩れる


「ちょっ…と…、A…」

『っ…ぁ…』

「……A…?」


背中に廻った彼女の腕

それが何だか震えてて、そっと頬を撫でる


「……雷、怖いんだ?」

『っ……ぃ…ぇ……怖く、何て……』

「ふぅん?じゃあこの腕なぁに?」

『それ…は…』


静かに涙を流し懸命に言葉を探す姿に、そういえば俺が一目惚れしたのも彼女の泣き顔だったなぁ、何て思う

Aを此処へ連れて来て、一緒にいて

大分色んな表情見せてくれたけど、その中でもやっぱり彼女の泣いてるカオが好きで

毎回毎回 理性が揺らいで一層泣かせ、ぐちゃぐちゃにしたくなる

醜い思想で溢れる中 くんッと服を引っ張られ意識を彼女へ戻す


『…やっぱり怖、い、ので……』
『あの…､手､握っても良いですか…?』

「あ〜､もうっ!!」



そういう所を注意してんのに何で判んないかな…

妖64→←妖62

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す