【赤羽業】私は……妖狐 II

妖62 ページ25

赤羽side

気持ち良さそーに
俺の腕の中に収まって

すやすや規則正しく寝てるA



尻尾に触れた時に漏れる声が妙に可愛くて
胸の奥底に沈めてたモノに刺激が加わる



尻尾先に触れてみれば
短く、小さく、声を零し身を捩って



その拍子に顕になった額に
ちゅっ…と短な音を立てて口付ける



少し身じろぎしたり
声を漏らすのが可愛すぎて



鼻孔を擽る彼女特有の香りに

甘美なスイーツに
酔い痴れるかの様に止まれなくて



───何度も何度も、白い肌に口付ける



額、頬、鼻先、項、鎖骨、胸元

すればする程口一杯に甘みが拡がって
舌が、甘味で麻痺してくる



そろそろ止めなきゃと
今にも外れそうなネジを戻し自制を効かせる



白い肌に付いた紅い痕
彼女を抱き直す



彼女の無防備な寝顔もこういう可愛い声も
俺しか知らない



その事実に何だか優越感と──
…同時に、少なからずの苛立ちを覚える


「気持ち良さそーに眠っちゃってさぁ………男が隣にいて何もされないとでも思ってんの?」


昼間は未遂だったから良い物の
夜となればどうか判らない



実際 今だって理性で本能を抑え込んでいて
脳がグラグラ揺らいでる状況だ

万が一理性が利かなくなって襲ったら…とか思ったから少し距離を置こうつったのにAが頑なに嫌がるし

あれだけ懸命に、可愛く、
好きな子から

“一緒にいたい”
と無い力一杯に抱き着かれたら

突き放せる訳ない


「ホンッと、ズルいよね」


何て寝ている奴に言っても当然返事も何もなく
寧ろ可愛い寝顔に毒気が抜かれるだけ



それからゆったりと小さな頭を撫でて

……微少に和らいだ表情(カオ)に
また理性が揺らぎそうになって


『…、ぅん……んっ……?』


頭に違和でも感じたのか
不意に覚束ない手付きで

Aが撫でてる方の手に手を重ねて来た



ぺたぺたと何かを確かめる様な手付き

それがまた絶妙に可愛くて、Aの手を取り白く細い指を咥える

それから数秒経って現状把握したのか、とろん、とした目から困惑の目に変わりふるふる震えだす


『っぁ…あか、ばね…さ……ま…』

「……ん…、っは、めっちゃドキドキ言ってんじゃん」

『なに…して…っ』

「見て判んない?Aちゃんの指を食べてんの」


敢えて言葉にした瞬間 ボンッ！って効果音が着きそうな位Aが顔を赤く染め口をはくはく 空気を切る

少し咥える力を増やしたら瞬時に涙目になって



──あぁ…その表情(カオ)すっげぇ唆られる

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