【赤羽業】私は……妖狐

妖38 ページ41

赤羽side

律に表示して貰った所迄
殺せんせーに送って貰って

帰りの事もある為入口で待機


「業君､先生も行きましょうか?」

「要らない」


理由も言わず断ったからか､

「要らないだ何て…」
っていじけ始める殺せんせー



殺せんせーに構ってる暇何て無く､
無視して鍵を壊して開け､中へ入る




予想外
通路には誰も居なくて



靴底とタイルが
擦り合う音



無駄に細長い通路の途中途中
片っ端からドアを開けてく



複数の扉を開けても
Aが居なくて

焦燥感を急き立てる



焦り混じりに苛立ってた時
見えて来た1つのドア



何も考えず躊躇わず
鉄製の扉を蹴飛ばし開ける


「っ…!!」


扉を壊し､視界に入って来た光景

息を呑む







床に拡がる、
赤い水溜まり




色んな臭いが入り混じり
嗅覚を刺激する澱んだ臭い




全身を赤黒く染め、一目で判る程
力なく柱に凭れ掛かってるA




血の付いた刃物を
握ってる男共





Aの顔は蒼白くて…


「A!!」


此方向いて目を見開き､
突っ立ってる男達の間を抜け､

Aに駆け寄る



Aに接近すればする程
嗅覚を刺激する血の臭い



衣服を赤く染め、
血溜まりを作る程流血してるのに

死んでないのは
彼女が治癒能力を持ってるから



メイド服同様、
赤く染まってる猿轡を外し､

Aに呼び掛ける


「ぁ……この餓鬼…!!この間の!!」


視界の端にチラチラ映ってた男が
思い出した様に指差し､口開く


「この間とかカンケェねぇだ…ろっ!!」


先走った男が1人、
腕を振り被って来たので

拳を片手で受け止め、
鳩尾に一発



床に寝そべり
悶絶する男を尻目に立つ


「オジサン等､俺のメイドに手を出したんだ。骨の1本や2本で済む何て＿＿＿…」


見渡す


「＿＿＿＿思ってないよね?」

＊

Aを拉致りやがった奴等を
殴り気絶させて一息



此奴等、口先だけかと思ってたら
存外ナイフの扱いに長けてて

多少の傷を負った物の
暗殺訓練を受けてる俺からしたら

生兵法


「A…」


Aの口に付着してた血を
指で拭い声掛けるも目を開けない


「A…､A…」


中々目を開けない彼女に不安を抱き
肩を揺らす


『……ぁ……かばね………さ…ま…?』


ゆっくり目を開いて
か細く俺の名前を口にしたA


「良かっ……ｯ…」


一安心した時
柱に突き刺さるナイフ



横目で見てみれば
床で寝てる奴等と

明らかに格が違う男が1人




…此奴…､気配がしなかった…

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