【赤羽業】私は……妖狐

妖27 ページ29

赤羽side

ソファーに腰掛けて
イヤホンをし､

上からAが降りて来るのを
大人しく待つ

まさかさ?“此方では男と2人だけの時女はメイド服着る決まり何だよ”何て嘘に引っ掛かる何て思わないじゃん?

ホントAってば素直すぎ

あれじゃぁ悪いクズに騙されて捕まる訳だよ

今日だって空巣に…

………

嫌な事を思い出し、頭を横に振って
脳内から無理矢理追い出す

あ、そーだ

Aが下りて来て直ぐ写真撮れる様にしとこっ

放置してたスマホを手に持ち､
カメラを起動



ウォークマンから流れる音楽が
終わった頃



階段を下りる音がし､
イヤホンを外してスマホを構える



トントン 階段を降り終えたAが
スカートを抑え何か謝ってる間に激写



Aは分かり易い位肩を揺らし
物陰に隠れた

蒼銀の尻尾…出てる

隠れきれてないのが可愛くて
口角を上げAの方へ歩み寄る


「隠れちゃ駄目じゃ〜ん」


膝を抱えてる
Aの顔を覗き込むと

Aは肩の力を抜き
多分無意識に安堵の息を吐く


「Aちゃんが急に動いたからブレちゃったよ」


不安気に瞬きするAが可愛くて
スマホを向けたまま

フラッシュにビビったのか訊きつつ
左の人差し指でAの頬をツンツン


「かぁ〜わい〜」


フラッシュにビビるとか小動物みたい

ツンツン ずっとつっついてれば
Aは拗ね､俺の人差し指を払って

一瞬､可愛らしく俺を睨み、
プイッとそっぽ向いて

諺らしきのを口にする

束の間の木の葉…?

謎の諺の意味は分かんないけど前文から察するに皮肉だろう

まぁ皮肉言っても皮肉の言い方が可愛いから無意味何だけどね


「アハハッ。酷いね」


笑いつつ手を差し出すと
Aはキョトンと首を傾げる


「物陰だと光当たんなくて薄暗いからさ〜。出て来てAのメイド姿俺に見せてよ」

『メイド…?』


Aは再び首を傾げ、それが俺の要求ならその要求に従う､と

…さっき迄普通の口調だったじゃん…何で…急に…や、何となく判るけど…でも…AはAの儘が一番良いのに…


『御手､お借りします』

「…バカ」


Aを立ち上がらせる際
小さく呟いた言葉



Aは捉えなかったらしいので
メイド姿可愛いと誤魔化しとく


『ぁ､ありがとう御座います』


慌てて一礼するA

別に…頭下げて欲しくて褒めた訳じゃないし…

苛々し、笑顔を貼り付け「Aってさ〜､真面目だよね〜」と



その染み付いた感が半端ない真面目感 ムカつく

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