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「卒業して以来？」
『そう、ですね』
大人になったなぁ、って先生が嬉しそうに笑った。
つられて笑うと、
さっきの名残なのか、しずくが落ちて。
「え、泣くほどうれしかった？」
『あはは、』
先生の指先が伸びてくる。
あくびです、とか言おうかな、って、思ったら
「すみません！」
聞きなれた声と、香り。
気づいたら、先生と私の間に、翔さんが立っていて。
「先生ですかね、すみません、こいつすぐいなくなるから」
嘘つき。
私は今まで、翔さんのところからいなくなったことなんてないもん。
...あ、海水浴の時に一回だけはぐれたことあったかもだけど。
あの時のことも、あんまり覚えてない。
もっというと、翔さんと付き合ってから、いろんなことが思い出せない。
失礼します、って私の腕をつかんで歩き出した翔さんに引きずられながら、
先生に手を振って、
通りに出ると、ちょうどお昼休みになったのか、人の波に逆らいながら歩くから、
『きゃ、』
人に否応なしにぶつかるのと、
腕をつかまれる力が強いのとで、
...なんだか泣きそうになっていたら、
パシャン、っていう水の音と、冷たい感覚。
「え、うそすみません！」
急に人ごみも空いてきて、
翔さんが、振り返った。
「とりあえずこれで、」
ごそごそとポケットからハンカチを取り出して、
それで私のほうに手を伸ばしたから、受け取ろうとしたら、
「触んな」
声だけで、震えあがってしまいそうな不機嫌さ。
いつも優しいからなのか、すごく、怖い。
『っ、』
「来いって」
止まっていた足はまた進んで、私は引っ張られて、
人通りが少なくなった、芝生の上にまで来た。
怒ってるんだ、
私が、一人になりたいって言ってお手洗いに行って、帰ってくるのが遅かったから...。
早く、ごめんなさいって言わなきゃいけない、
『翔さん、』
止まったのは、ちょうど真ん中のあたりの、旗の下、
腕はつかまれたままで、向かい合った。
「、ごめ、」
何かに気づいたらしい翔さんが、あれだけ離してくれなかった腕を離して、
気まずくて俯く。
もしかして、もう終わりにしようとか言われちゃうの？
頭の悪いことや面倒なことを嫌う彼だから、
もしかしたら、という不安でいっぱいで。
「びっくりさせたよな、ほんとごめん」
ふわりと、かけられたのは、
翔さんが羽織っていたシャツ。
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あきんこ(プロフ) - ちささん» ちささんこんにちは！そのように仰っていただけて長男のみんな喜んでると思います。心配性に続くところ、気づいて頂けて本当に嬉しいです(*´ー｀*)長男はあと１つネタがあるので、いつか書けたらなぁと思っています！ありがとうございました！ (2018年9月1日 10時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 長男な彼が好きすぎていつも読み直してます。旦那様は心配性に続いてると気づいた時すごく嬉しかったです！また楽しみにしてますね！ (2018年8月25日 9時) (レス) id: cb0300c43d (このIDを非表示/違反報告)
あきんこ(プロフ) - みかぽさん» こんばんは！いつもありがとうございます。バラエティーパックみたいになっちゃいましたが、楽しんでいただけてとっても嬉しいです(*´ー｀*)無理なときはガッツリ休むので大丈夫ですよ！心配していただいてすみません、最後のお話更新しましたのでお楽しみください！ (2018年8月21日 20時) (レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - あきんこさん、こんばんは！ 色んな彼のお話美味しいとこどりで嬉しいです！！ 色々大変だとは思いますが無理しないで下さいね。 (2018年8月20日 0時) (レス) id: 627aaeefd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年8月17日 0時
