キミだけ、あなただけ ページ1
病院で目が覚めて
大泣きしてるAと少し話した後
俺はどうやら寝ていたみたいで
視線を少し下げると、泣き疲れたのか
まだ泣いた跡が残るAが、俺の右手のほうで寝ていて
ふわりと頭をなでると
『...ん、』
幸せそうな微笑みを浮かべた
俺は、長い夢を見ていたんだ
現実の、こっちの世界の俺とAは幼馴染で
恋人というよりももう家族みたいな関係で
良くも悪くもお互いをここまで理解している相手なんていない
それくらいの深い仲
なかなか、思うように結婚はもちろん会うことだってできないような職業の俺を
ずっと支えてくれたのはAに他ならなかったのに
やっと、時間をあけてAの部屋に行けば
ちょうどAは仕事に向かうところで
「え、今から行くわけ？」
深夜、とまではいかないにしろ
そこそこ夜も更けてるような時間帯に仕事着でパンプスをはいたAを見た俺は
あからさまに怪訝、不屈、不機嫌、そんな感じで
そう、言ったんだ
『仕事だもの』
負けじとそう返してきたAに
可愛げとか、そういうことを問えなくしたのは、自分自身だった
”しょうのおよめさんになるの！”
あの頃の、まだ何も知らなくて
俺も、今の仕事に就くとか微塵も考えていなかったころ
”人を、救える仕事をしたいの”
いつからか、お嫁さんではなくて
そんな風に将来を語るようになったAは
大学は日本一頭がいいとこに行って、弁護士になって
俺は、Aのすべてを知っているはずなのに
「あのさ、仕事と俺どっちが大事なわけ？」
『は？それそっくりそのままお返しするけど』
「ほんっと！かわいくねーな」
『悪かったわね、』
時間ないから、って去っていったAにイラつきながら
タクシーに乗った後の記憶はない
「ごめんな...」
Aが、俺に負担をかけないように仕事を楽しんでいることを知りながら
思い通りにならないと、あんなことを...
あの頃の俺たちは、こんなこと考えてもいなかっただろう
「懐かし...」
付き合ったのは、たしか、高校に上がってからだ
体を重ねるようになったのは、大学に上がってから
我ながら、だいぶプラトニックな恋愛をしてきたな、と思うわ
まあ、全部俺がヘタレだったことによって起きてことなんだけどさ
あの夢を見て改めて思ったけど
俺には、Aしかいないんだ
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あきんこ(プロフ) - ちささん» ちささんこんにちは！そのように仰っていただけて長男のみんな喜んでると思います。心配性に続くところ、気づいて頂けて本当に嬉しいです(*´ー｀*)長男はあと１つネタがあるので、いつか書けたらなぁと思っています！ありがとうございました！ (2018年9月1日 10時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 長男な彼が好きすぎていつも読み直してます。旦那様は心配性に続いてると気づいた時すごく嬉しかったです！また楽しみにしてますね！ (2018年8月25日 9時) (レス) id: cb0300c43d (このIDを非表示/違反報告)
あきんこ(プロフ) - みかぽさん» こんばんは！いつもありがとうございます。バラエティーパックみたいになっちゃいましたが、楽しんでいただけてとっても嬉しいです(*´ー｀*)無理なときはガッツリ休むので大丈夫ですよ！心配していただいてすみません、最後のお話更新しましたのでお楽しみください！ (2018年8月21日 20時) (レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - あきんこさん、こんばんは！ 色んな彼のお話美味しいとこどりで嬉しいです！！ 色々大変だとは思いますが無理しないで下さいね。 (2018年8月20日 0時) (レス) id: 627aaeefd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年8月17日 0時
