渡辺カップル 2

# 50 ページ1

Aside




渡辺「 お前さ、最近ふっかと連絡取りすぎじゃね？ 」




それは家でくつろいでた時のこと。





「 え？ふっかさん？ 」


渡辺「 見えてんだけど、ふつーに 」






翔太のその言葉に、あっ、と思う。

ソファに2人で並んで座ってるからそりゃあ見えるか。






「 この間オススメの映画教えてもらったからその話してるだけだよ。

しかも、ふっかさんだよ？ 」


渡辺「 ふっかだから？なに？ 」


「 いつも言ってるじゃん、ふっかになら嫉妬しねぇって 」


渡辺「 別に嫉妬してるわけじゃねぇけど 」





え？じゃあわざわざ言ってこなくてもよくない？
って気持ちはぐっと抑えた。



でも翔太もさ、私とふっかさんの間に何にもやましいことはないって分かってるから、無防備に翔太の前でも隠すことなくメールしたりしてるけどさ。





「 じゃあなに？ 」


渡辺「 いや普通にさ、彼氏の前で他の男とメールとかありえなくね、 」


「 いやだからさ、ふっかさんだからいいじゃん、

しかも何かやましいことがあるわけでもないし、映画の話だし。 」


渡辺「 お前何もわかってねぇなまじで 」


「 は、？ なにそれ、何でそんなに怒ってんの 」


渡辺「 別に、怒ってない 」


「 明らかに怒ってるじゃん、怒ってる顔じゃん 」


渡辺「 はぁ、もう 」


「 こっちがため息つきたいよ 」



別にそこまで腹立ったわけではないのに強がって言ってしまった。なんて、少し反省してた自分を褒めてやりたいくらいだよ。と思うのは、数秒後のこと。







渡辺「 そんなに嫌ならふっかん家でもどこでも行けばいいじゃん 」







その瞬間に私の中で何かが切れる音がした




「 は、？ 」


渡辺「 そんなに話したいなら、行けば？ここに引っ越してきた時も、ふっかさん家近いんだ〜って喜んでたし、お前 」



「 なにそれ意味わかんない、もういい 」





それだけ言って携帯と財布だけ持って急ぎ足で家を出た。



途中で、後ろから「 おい、 」と一言聞こえた気がしたけど、そんなの無視無視。

どーせ口だけでしょ、ほら、追いかけても来ないし。





なんの考えも持たず勢いに身を任せて家を出てきてしまったことに深く反省した。

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