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Act.9《毒婦》 ページ12

意識が微睡み、頭に枕とは違うごつごつとした感触を感じた。


『ん…………。』


しかし、ぼんやりとした頭では、いくら考えても意識は抜けていくばかりだった。



「A、よく眠れたかァ?」



其の甘い声を聞いた途端、意識が覚醒する。
私の頭には中也の腕が回されていた。


『ひ…………!ちゅ、中也……!』

「ンだよ。夜からずーっと此のまま、だろ?」


ニヤリと笑う中也を見て、昨夜の記憶が鮮明に浮かぶ。

溶ける様な、甘い声。
全身が痺れる程の、激しい口付け。

中也に溺れた自分を思い出すだけで、背筋がぞわりと逆立つ。


「そろそろ朝飯にするか。勿論、続きをしてもいいけどなァ?」


私の動揺をからかう様に中也が問う。
続きなんて恐ろしく、朝食を摂りたいと中也に言った。

その言葉に中也は少し拗ねた顔をしたが、すぐにわかったと私の額に口付けをし、準備の為キッチンに向かった。


「適当なものしかねェが…何でもいいか?」


その言葉にこくんと頷く。





その時、あの薬瓶の事が頭をよぎった。


_____"私を彼に飲ませて"


彼とは中也の事だろうか。

いや、私にとっては中也しかいない。

今の私の世界には、私と中也の2人しか居ないのだから。


でも、毒だったら中也は死んでしまう。

この状況であの瓶の中身が無害である可能性の方が低いだろう。

其れでも、


──「手前は俺だけを見てりゃいいからなァ…。」


其れでも、汚れた私達だから。





テーブルの上に食事よりも先に用意された2つの飲み物。

私は其の両方に瓶の中身を入れた。

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ぽむぽむ(プロフ) - みー坊さん» コメント、感激です!!!毎日読んでくださるなんて……幸せすます!ありがとうございます(*´-`)他の作品も頑張ります!それはもう、全力で!! (2018年4月12日 6時) (レス) id: 0ca2e09788 (このIDを非表示/違反報告)
みー坊 - 初めてコメントいたします。すごく面白くて、続きを毎日楽しみにしていました。ヒロインがどうなるのかハラハラしていたのですが、2パターンのエンディング、どちらも素晴らしかったです!他の作品も楽しみにしておりますね(^^)完結お疲れ様でしたm(_ _)m (2018年4月12日 0時) (レス) id: ecce6735cb (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむ(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます!!もうそろそろselectsceneなのでお楽しみに、です(*´-`)私も全力で更新します!! (2018年4月10日 17時) (レス) id: 0ca2e09788 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 夢主がこのあとどういう選択をするのかすごーく気になります!!続きを楽しみにして居ますね!! (2018年4月10日 6時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむ(プロフ) - くるみさん» ありがとうございます!!クラクラする位の愛を書きたかったので、そう感じていただけてほんとに感激です(*´-`)更新もばんばんしていきます!! (2018年4月9日 18時) (レス) id: 0ca2e09788 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽむぽむ | 作成日時:2018年4月5日 15時

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