重力遣いの新相棒【文豪ストレイドッグス】

仕事終わり ページ16

〜中也side〜



「ふぅ〜、やっと帰ってこれた！！」


「休んでる場合じゃないぞ、首領のところへ報告だ」


「えぇ…げんなり…疲れたよもう…」


「どうせ大して疲れてないくせに、ンなこと言うな」


「あらら、バレてた？…まあでもしょうがない、行くか」


Aがしぶしぶといった感じで、歩き出す。




コンコン


「失礼します、首領」


「入りたまえ」


「はい」



俺たちが部屋に入ると、そこには首領と紅葉の姐さんがいた。



「首領、ただいま戻りました」


「うん、お疲れ様。中也君、Aちゃん」


「ありがとうございます」


「紅葉姐さんもお疲れ様。今回は手伝ってくれてありがとう」


「Aに言われると、心が和むのう」


「…紅葉君、それは私に言われたら、和まないということかね？」


「好きに解釈するがよい」


「あはは、でも紅葉姐さんの言う通り、鷗外に言われても全然嬉しくないかも」


「非道いよ！？Aちゃん！！」


「まあまあ三人とも」


「ほほほ、中也は苦労人だのう」


「あはは、姐さんにも言われたね！！中也！！」




…俺はAの言い方がなんとなく腹が立ったので、頭を叩く。



「いたっ！中也ってなんで平手で叩いても痛いの！？」


「知るか！つーか、お前が俺に叩かれる原因作ってンだろうが！」


「そんなことないよ！中也の心が狭いだけ！！」


「ああ！？」


「…すみませんでした」



Aが土下座しそうな勢いで謝ってきた。

ったく、結局謝るなら、最初から人をおちょくるな。



「ははは、Aちゃんは中也君には素直だねえ」


「これのどこがですか！！」



俺は首領相手に思わず全力で突っ込んでしまった。



「私の言うことはほとんど聞いてくれなかったのに…中也君が羨ましいよ」


「確かに、Aはなんだかんだ言って、中也に懐いておるからのう」


「んー、そうかなぁ？」



…当の本人は能天気に笑っているけどな。

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