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『うつくし姫』




六百年程前、今はもうどこにもその名前も残していない国に、とても綺麗な女の子がいました。



老若男女、貴賊を問わず、誰もが彼女に魅了されました。


その美しさだけで皇帝陛下から称号を贈られた彼女は、全国民から『うつくし姫』と呼ばれ、愛されていました。






「誰も私を見てくれない。」


「美しい美しいと誉めそやしてはくれるけれど、それ以上何も言ってくれない。私の中身を全く見てくれていない。」



「私は綺麗なだけの人形じゃあないわ。

外見だけじゃなく、もっと内面を見て欲しい。」




それが、『うつくし姫』の悩みなのでした。





己の美しさに甘えない

この立派な志に胸を打たれたのは、その国に古くから暮らす、魔女のお婆さんでした。




「うつくし姫。

お前の美貌を誰にも見えない透明色にしてあげようね。

その代わりお前の心が、周りの皆に見える様にしてあげようね。」



お婆さんはそんな魔法を、うつくし姫に掛けたのでした。





すると、うつくし姫のとても澄んで綺麗な心が周囲に見える様になり、

国民はうつくし姫の心までもの美しさに涙を流しました。

漆→←伍



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作者名:妃薫。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakaharaty1/  
作成日時:2018年3月12日 1時

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