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翌日、朝七時。
妃薫は言われた通り、マフィアの本部ビルに訪れて居た。
すると中原がロビーで妃薫を出迎え、部屋へと案内をする。
中原「基本的に書類作業とかは此処でやれば良い。何かあったら、隣の俺の部屋に聞きに来いよ」
「...任務等は?」
中原「大体首領から命令が来る。後は他の幹部の補佐だったり、部下の仕事に着いてったりとかだ」
「成程ね。地下の鍛練場は使って良いの?」
中原「嗚呼、好きにしな」
「了解」
その後、中原に報告書等の書き方を教わり、その他のルールを教わりと、妃薫は驚愕的な理解力と記憶力で仕事をこなして行った。
一日目、二日目、三日目と月日は流れ、彼女がマフィアに入り、二週間程が経った頃。
Aの下には大勢の部下が付き、そして幹部と言う位にまで昇進した。異例のスピードで異例の成果を出し続け、周囲から一目置かれる存在と為った。
然し、鴎外と中原は、未だ彼女を疑っていた。
鴎外「A君。君は私に──何かを隠しているね?」
『何の事を仰っているのか理解出来ませんね。隠事の一つや二つ、人間誰しも抱えているものでしょう』
鴎外「そればそうなのだけれどねぇ...君は優秀で、とても大事な私の部下だ。一応把握はして置きたいのだよ」
『そうは云われましてもねぇ...
あ、済みません、部下が呼んでいますので失礼します』
こんな具合に、上手くはぐらかされるのである。これには事情を知る幹部達も頭を抱えていた。
それを知る者が、誰一人としていないのだから。
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作者名:妃薫。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakaharaty1/
作成日時:2018年3月12日 1時