本望。 ページ10
『っ...そ、そんなことない。無駄、なんか、じゃ..ない』
鬼「何を根拠に言ってるんだ?それにこれ以上動いたら腹の傷が広がるぞ？
Aはもう負けた。鬼になるだけだ」
『…他人のっ限界を、勝手に…決めつけないで』
『夜の呼吸 壱ノ型 夜天光…ゴフッ』
喉から焼けるように熱い血が吐き出る
最後の力を振り絞って斬りかかった
"間違っても死ぬんじゃないぞ"
先生……
"ご武運を…！"
鉄ヶ崎さん…だっけ………
ごめんなさい、私死ぬかもしれない
でもこの鬼を倒して…喰べられてしまった人が少しでも報われるなら、
私はそれが、本望だから
先生たちは許してくれるよね？
『…夜の呼吸 参ノ型 終夜常斬り』
鬼「っ！？……残念だな、終わりか」
「お互いに」と鬼は言った気がした
鬼の腕が振られる
攻撃が当たる…死ぬ……！
……死ぬ…………ごめん…"永太"………
お互いの攻撃が当たった感触は無い
出血多量で麻痺してるんだ、きっと
鬼の頚…斬れたかな？
意識が途切れる
私の最後の記憶は、"弟"の永太の亡骸だった_____
(？？？side)
夜。霧のかかった様な不気味な森の中を走る
柱の私が向かう任務だ、恐らく敵は十二鬼月だろう
『！！！』
鬼を見つけたと思ったら、少女の鬼殺隊員が鬼の頚をはねていた
が、
鬼の攻撃も少女に当たり、肩から胸にかけて血が噴き出る
『っ大丈夫か、しっかりしろ』
倒れる少女を間一髪で受け止め、脈を測る
……辛うじて生きてはいるが、このままでは危ない…
気配からして、下弦の壱か弍辺りを倒したのだろう
しかし何故彼女が？これは私に言い渡された任務だ、合同任務だとも聞いていない。
だが今はとにかく蝶屋敷に急がなければ…
私は少女を抱き抱えて走り出した
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作者名：すい | 作成日時：2020年6月28日 17時
