最終選別。 ページ2
(Aside)
えっと...ここか…。
先生に書いてもらった地図。
"最終選別"の場所"藤襲山"までの道のりが記されている。
ようやく着いた。藤の花が咲き誇っている。ここには私の他にも20人以上いる。
小さい子供から最終選別についての説明を軽く受け、
「では、行ってらっしゃいませ。」
選別が始まった。
山の中を進んでいく。近くで人間とは違う音がした。
______鬼だ。
『..夜の呼吸 壱ノ型 夜天光』
グシャッ。鬼の頚が飛んだ。
鬼「ｱｱｱｱ!？いつの間に！くそっ俺は...！うあああ嫌だ死にたくない！！」
鬼は塵となり消えていった。
死にたくない、か...。
鬼も元々は人間だったんだよね。私と、同じ。
鬼が消えたところを見つめてぼーっとしていると、沢山の鬼の音が近付いて来ているのがわかった。
何体いるんだ…気配と音からして…5体以上いる。倒せるかな。
___まあ、やってみよう。
鬼「ガアッ！！」
鬼「ヴヴーッ！！」
『夜の呼吸 參ノ型 終夜常斬り』
斬撃を重ねていく。1体、2体…と次々に頚が跳ねられた。
全部倒せた……。この調子だ、絶対に生き残って先生のもとへ帰る。
軽く深呼吸した。
『!!!!』
近い所から聞こえる、苦戦しているような、苦しい音。
気づいた時には走り出していた
。
急げ、助けろ！早くしないとまた…！
…あれ、何で今……"また"って思ったんだろう。
『夜の呼吸 弐ノ型 飛翔天月』
鬼を倒し、先刻まで戦っていた男の子の所へ行く。狐面をしていた。
『……大丈夫ですか。』
「!!…うん。ありがとう。俺は竃門炭治郎！君は？」
竃門さんは人の良さそうな笑みを見せた。
『…杠葉Aです。』
竃門「Aか、よろしく！…Aは強いな。俺が苦戦してた鬼も簡単に倒した。改めて、助けてくれてありがとう！」
『いえ。お互い生き残りましょう。それではまた。』
竃門「ああ、またな！」
鬼の音がしたので、私はそこへ向かった。
……竃門炭治郎さん。彼からはすごく優しくて暖かい音がした。泣きたくなるような、優しい音。
竃門さんはきっと、生き残るだろうな。
まあ、すぐに忘れるから。
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作者名：すい | 作成日時：2020年6月28日 17時
