10枚目 ページ10
主[おはよう]
斑「おはようございます！
いつも早いですね」
主《朝はどうしても早く目が覚めてしまうので》
斑「そう言えば昨日ケムさんと何話してたんですか？」
首をあざとく傾げて聞いてくる
主《ケムさん？》
斑「あのおじさんですよぉ、教えてください
とっても気になるんですぅ
酔っていてあまり覚えてないんですけどぉ」
主《ああ、あの人と少しね
ほら1人でちびちび飲んでても寂しいから》
斑「なんで話してたんですかぁ？
声出ないんですよね？」
陽気な雰囲気を纏っている割にはやはり勘が鋭い
それも変なところでだが
主《それはね、話が弾んでメモが丁度なくなって筆談できないなと思ったら彼、読唇術が出来るって言ったからそれで話してた》
斑「さすがケムさん！」
主《僕も周りにそういう人がいたらいいのにって思ったことあったから少し楽しかったよ》
斑「それはもう僕のおかげ！ですね」
主《そうだね》
斑「褒められたぁ！
皆に自慢しなきゃ」
あ、これいつもお菓子もらってるんでお返しです！
と渡された袋の外にはZUESSと書いてあった
嫌な予感がして袋の中身を見ると時計が入っていた
主《あ、斑目くん》
って行っちゃった
どうしようこれ何万するよね
斑目くん確かに着てる服高そうなものばかりだからね
そういえばこの前靴の踵が磨り減ったって言ってたな
よし、靴だ
彼の靴はオシャレ靴ばかりだから1つぐらい正装用の靴でもあった方がいいだろう
それよりバレてなくてよかった
女性だということもまあまあ知られてはいけないことなのだが
私が実は誰なのかということは鯨岡さん以外誰も知らない
知られてもいいことなのだが
私はここにある目的のため潜入していると言っても過言ではない
何故偽名だったのかと知られればここに入ってきた理由も問われる
何故名を偽り入ってきたのかと言うと上からの命令である
完全な嫌がらせだ
私は上層部の一部から嫌われている
本当はしなくていいのだが
それも無理な話なのだ
私を監視している者がいる
さすがに13係の中までは入ってこないのだが
ああ、本当は殴ってやりたいね
殴ってやりたいとも
だけど殴ってしまえば相手の思いどおりだ
あいつらの策略など乗ってやらない
私はここであの人と一緒にやり遂げるそれまでは殴るの止めといてあげるよ
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作者名：彼方 透 | 作成日時：2020年3月18日 17時
