6枚目 ページ6
広々とした空間に固く閉ざされた扉
言わなくても分かるだろう
主《この金庫完全密閉型ですか》
細「成人男性2人に持って4時間です
騒いだら4時切ります」
私は座って待つしかない
私には彼女にある絶対音感もないし
鍵を開ける能力もない
主「ちっ」
ガァンッと扉が音を立てる
左「その気持ちは分かるが落ち着け」
主《すみません》
宝「あんたでもそんなイライラすることなんてあんねんな」
主《僕案外短気なんです》
コツコツと靴の裏を地面に叩きつける音が聞こえた
あのときのバーの人だ
小平さんと場所をかわり順調に鍵を開けていく
彼を連れてくるなんて皇子山さん考えたな
煙「最後まで開けたらおれをしょっぴくつもりだろう」
皇「少なくともどこで金庫破りを学んだか聞かせてもらう」
ピロンとケータイがなる
主《失礼》
鯨岡
ヘリを名古屋まで飛ばしたからもう少しで副支店長が来るはずよ
よろしくね
トントンと皇子山さんの肩を叩いてメールを見せる
皇「そうか」
それから少しして副支店長が来た
副「最後のひとつですか？よく分からないので最初からあけてみます」
金庫の扉が空いた
主「斑目くん！
ゴボッ、ゲホゲホ」
久しぶりに叫んだから器官に唾液が入って咳き込んだ
苦しくて涙が出る
宝「大丈夫か？無理に声出すからや」
ありがとうと書こうとしたら
宝「どういたしまして」
と返された
小「大丈夫わかる？」
ぐったりと倒れている斑目くんと強盗団の人
左「大丈夫だ呼吸は戻ってる」
斑目くんは壁を背に肩を大きく上下させている強盗団の人を見る
宝「本当によくやったなこのこあげたらあんたの大金星や」
斑「俺！見てません
その前に仲間に頭殴られて
本当に見てません
現認しました」
去り際に悲しい顔をして
「仲間いたんだ」と呟いた
斑「マスタードラゴンきっと現れるよ
きみにも絶対」
で、勝手田さんが連れてきた人はペンションの管理人だった
斑「そう言えば誰か一人聞いたことのない声で名前を呼ばれた気が」
皇「そう言えばお前あのとき声出たよな」
皆が僕の方を見る
宝「咄嗟にでたんやろ
その後咳き込んどったしな」
勘違いしてくれて助かった
主《今は出ません
本当に咳き込んで死ぬかと思いました》
左「大袈裟すぎだ」
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作者名：彼方 透 | 作成日時：2020年3月18日 17時
