18枚目 ページ18
コンコンと扉を叩き開ける
皇「黎斗、俺はまだ言ってない」
主《別にいいよね》
皇「はぁ
じゃあ頼む」
主《了解》
鳥飼和子と向かい合わせに座る
少し目を見開いていたがすぐに戻った
鳥「へぇ、女の子だったんだ
ごめんなさい、勘違いしてたみたいで」
主《いいえ、よく間違えられるので慣れてます》
鳥「あなたはベテラン刑事さん？
それとも新米刑事さん？」
主《ベテランではないですが
8年目です》
鳥「あら、ベテランさんね
それにしてもやっぱり綺麗ね
モデルになれたんじゃないの？」
主《この通りなので無理なんですよ
そもそも人の前に立つのは苦手です》
鳥「へぇ」
主《あと少しなので頑張りましょう》
鳥「ごめんね、代わりに水被ったよね？」
主《いいえ、仕事ですから
それに慣れてますよ、これぐらい平気です》
彼女に違和感を感じた
最後の引き当たり捜査で皇子山さんが車を取りに行き私は鳥飼和子と小平さんを任された
メールしか出来ない私の携帯には電話の連絡があまり来ない
でもさっきから電話が鳴り止まない
大方勝手田さんだろうけど
小「電源切っちゃえば？」
主《そうですね》
案の定私の携帯の着信履歴は勝手田さんで埋まっている
その中に非通知が含まれていた
煙鴉さん？
非通知を押し電話をかけると気をつけろ、狙われていると声が響いた
主「っ、」
ちらりと目線だけで見渡す
ナイフを持った男がこちらに向かってきていた
主「小平さっ」
鳥飼和子が小平さんを体を張って守る
まずは男のナイフを回収しなければ
取っ組み合いをすれば男に女が力で負けるのは目に見えている
ましてや蹴りを入れてナイフが小平さんと鳥飼和子の方へ飛んでいかないとは限らない
ただ、彼の標的が私であったことは幸いだった
彼女達に被害が及ばないところまで男を誘導し対面する
彼が奮ってくるナイフの軌道は荒々しく乱れている
たまに飛んでくる拳を上手く流しているのだけどこれがなかなか早い
足払いをし相手を地につけ押さえつけるが力で押し返されてしまった
主「ちっ」
男「綺麗な顔してる割には口が悪そうだな」
目の前にナイフが迫ってくる
腕をクロスさせ受け止めようとしたその時男が横に吹き飛んだ
皇「てめぇ、何してんだゴラァ！」
鬼のような形相をした皇子山さんがあっという間に男を取り押さえた
続く (更新停止中)
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作者名：彼方 透 | 作成日時：2020年3月18日 17時
