14枚目 ページ14
しばらく仕事休みと13係の全員から言われた
久しぶりにする仕事は引き当たり捜査
私の役目は内容をメモする
まぁ、それくらいしか出来ないので
鳥飼和子 55歳 無常の空き
初犯 従供している窃盗件数65件
被害総額およそ1500万円
手口は無施錠
私の隣は荷物だ
小「こ、こ、こ、こ、」
宝「鶏か！」
主《落ち着いて》
小「は、はい！
これより本件被疑者鳥飼和子の引き当たり捜査を始めます
こちらは皇子山警部補、予知田警部補、斑目です」
斑「呼び捨て！？」
皇「よろしくお願いします」
主《よろしくお願いします》
斑「よろしくです！
今日はドライブ日和ですね〜」
と目線を上にあげる
宝「空見えへんやろ！」
見上げればコンクリートが広がっているだけである
皇「行くぞ」
斑「それじゃあナビ入れますね
長野県信濃市」
バシッと見えないが音がする
おそらく叩かれたのであろう
斑「痛っ」
宝「アホか被疑者に案内させるのが引き当たりや
ナビ入れてどないすんねん」
全くその通りだ
斑目くんは皇子山さんの話をちゃんと聞いていなかったようだ
斑「嗚呼」
鳥「長野県信濃市までお願いします
それからは随時案内します
って言えばいいんだよね」
小「あ、はい」
斑「分かりました、出発進行ー！」
この引き当たり捜査長くなりそうだな
鳥「緊張してんの？
怖い？犯罪者の真横にいて
あなた何年目？」
皇「揶揄うな
腰掛けならすぐに辞める」
なるほどこれは難しそうだ
ゆっくりとこっちを向く
鳥「あんた静かだけど喋れないの？
筆談だったもんねぇ
それにしても顔整ってるねぇ
俳優とかメンズモデルとかにならなかったの？」
すると口パクで男でいいのか？と皇子山さんが聞いてくる
肯定の意味で頷く
主《興味がなかったので
筆談での会話になりますがよろしくお願いしますね》
鳥「耳は聞こえるの？」
主《はい、はっきりと》
斑目くんの運転は案外普通だった
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作者名：彼方 透 | 作成日時：2020年3月18日 17時
