漆 ページ7
主「食料がないか」
明「もって数日だろう
その前に突破されるのが先か……」
ちゃぷちゃぷとペットボトルの水を片手に遊びながらあと何日持つか考える
恐らくここを突破される方が先だろうが
主「水は私が余分に持っているから数日は大丈夫だろうとは思うけど……」
風呂は……無理そうだ
まぁ、今私は入れそうにない
さすがに腕を削いだ人に喋りかける勇気はないらしく
みんな遠回しに見てくるだけで
唯一静原さんだけは喋りかけてきてくれる
あ、もちろん彼と、葉村くんもだよ
比留子さんは学校でも完全にやばいやつを見る目で見ていたからね
だけど最近は少し目線がズレているが話してくれる
主「明智くんは私と一緒の部屋でよかった？」
明「大丈夫だ。それに何かあったときにすぐ守れるからな」
主「それは私が、まもりゅって」
途中で言葉を遮るように両頬を摘まれた
明「かっ、ん"んっ！もう寝よう
夜遅いし疲れているだろう」
主「うん、おやすみ明智くん」
明「良い夢を……というのはなんだか変だな
おやすみA」
彼の手が私の頬をするりと優しく撫でた
暖かい、こんな気持ちで寝るのは久しぶりで
久しぶりによく眠れた
首あたりが妙にくすぐったくて私は起きた
首以外動かなくて振り向いてみると彼の腕が私の腰に回っていたのが原因だった
こうしてみると寝顔は少し幼く見える
いつもかけている分厚い硝子のリムレス眼鏡がないためだろうか
よく見ればまつ毛も長いし肌も細かい
綺麗だ
コンコンとノックが響く
主「はーい、明智くん、起きて」
明「ん、もう少し」
主「もう少しじゃなくて」
私がするりと間をぬけたら布団の上でぽふぽふと何度も手を布団から上げたり探ったりしている
無意識に私を探しているのだろうか
いつもの大人っぽい彼と違い子供のようで笑みがこぼれる
もう一度コンコンと響いた
主「すぐ開けます」
ガチャと開けると扉の向こうに数人の人影があった
主「どうしたんだい？葉村くん」
葉「進藤、さんが……」
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彼方 透(プロフ) - もちゃさん» コメントありがとうございます。実は明智さんどころか屍人荘の小説が少なかったので書くかどうかを迷っていたのです。これからも更新続けていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。 (2020年1月23日 22時) (
レス) id: 515ce45d47 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ - 明智さんの小説探してました！応援してます！ (2020年1月23日 21時) (レス) id: e6667f44b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 透 | 作成日時：2020年1月16日 23時
