廿肆 ページ24
高「美冬、そんな」
中でも彼女と仲の良かった高木さんはショックを隠せないようだ
静「さすが、神紅のホームズと言うべきでしょうか
ひとつ負け惜しみを言わせてもらうなら
私が今の自白をしなければ
もしくは嘘をついていれば明智さんは私を犯人と断定できなかったのでしょうか」
明「いや、君を犯人と断定した手がかりはもう1つある
今朝の話、矛盾していた箇所があった
ミスを犯したのは君ではないがな」
明智くんの目は静原さんでなく葉村くんを捉えた
明「君だよ、葉村くん
君は菅野さんの悲鳴を聞いた時刻を4時半少し前と言った
ありえない事なのだよ
なぜなら部屋にある時計はデジタル表示の時計だからだ
では何故、葉村くんはそんな表現をしたのか……
それは葉村くんが見たのはアナログ時計だったからだ」
葉村くんの目が大きく開かれた
彼はバーベキューのとき時計をなくしていた
出目という奴が盗んだという線が強い
重「時計が見つかったって事？」
明「その理由はもうひとつの証言で明らかになった
それは葉村くんがドアガードの隙間から覗き込んだ
すると隣の部屋から静原さんも同じように顔を出し目が合ったと言っていたことだ
しかし矛盾していたのは時間ではない……
ドアガードの隙間から覗いただけで、2人が目を合わせれるか
彼らの部屋のドアは背中合わせに開くようになっている」
不可能に近い……いや、不可能だ
そんなことが可能だとしたら彼らの内の一人は人間ではない
明「こんな嘘を着いた理由がわからなかった
だが、先程の問題と組み合わせると答えが出てきた
2人は確かにドアガード越しに目を合わせていたんだ
三階ではなく、二階でね
静原さんは電話をかけた二○六号室、葉村くんは出目さんがかつて使っていた二○七号室でね
そして葉村くんは二階から三階に駆け上がっていく管野さんの声を聞いたんだ」
高「出目の部屋、まさか」
明智くんが葉村くんの方を向いている
俺が君の過去の話をしていいのかと、問うているんだ
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彼方 透(プロフ) - もちゃさん» コメントありがとうございます。実は明智さんどころか屍人荘の小説が少なかったので書くかどうかを迷っていたのです。これからも更新続けていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。 (2020年1月23日 22時) (
レス) id: 515ce45d47 (このIDを非表示/違反報告)
もちゃ - 明智さんの小説探してました！応援してます！ (2020年1月23日 21時) (レス) id: e6667f44b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 透 | 作成日時：2020年1月16日 23時
