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「そうと決まればまずはメンバーをもう少し集めるぞ!
オレ達と着ぐるみだけでは、まともなショーができるとは思えん。もっと役者がいなければな」

 彼がそう言った時、えむお嬢様はこちらを気遣うようにちらりと視線を寄せた。私は心配しないで、の意で小さく頷いた。

 今、彼は我々を頭数に入れていたが実際のところ、お嬢様の護衛は舞台に立つことはできないのだ。

 私達の職務は『えむお嬢様を守ること』であり、『役者としてステージに立つこと』では決してない。

 また、職務外のことをしてしまうと後から面倒なことになってしまうことが多い。それが例え、良心によってなされたことであっても、だ。
 そして、『えむお嬢様の護衛がワンダーステージに立つこと』は明らかなる越権行為である。せいぜい、今まで通りにステージの管理や演出などのお手伝いをさせて頂くのが私達にできる限界のライン、といったところだ。
もし私が舞台に立てていたら、とっくのとうにやっていただろうに。


 どちらにしろ人数は足りないので、メンバー集めは必然。護衛官としては、お嬢様へのリスクが高まるのであまり進められたものではないが。

「……そうだね! みんなでやったほうが楽しいもんね! それじゃ、さっそく探しにいこー!」
「私も同行させて頂きます」
「お前は駄目と言ってもついてくるだろ……」

ふん。


.

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作成日時:2024年1月18日 22時

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